トロンボーン吹きの吹奏楽団/ブラスバンドへの入口-市立柏高

 2010/11/3に日本テレビ系「笑ってこらえて(所ジョージ)」にて「吹奏楽の旅 2010年 完結編」が放送されました。

市立船橋高校が全日本吹奏楽コンクールを目指す過程をドキュメントした番組です(他に2つの高校あり)。

 千葉県は市立柏高校と市立習志野高校という、全国大会の常連高校があります。

番組にて、市立船橋高校が「柏・習志野に勝ちたい!」と言ってましたね。

 紹介する本は、全国大会常連校である市立柏高校(通称:いちかし)を取材して、なぜコンクールで常勝するかを追っています。

金賞よりも大切なこと~コンクール常勝校 市立柏高等学校吹奏楽部 強さの秘密
山崎 正彦 2,100円 304ページ スタイルノート 2009/9/28

 コンクールで常勝する高校はどんな取組みをしているかに興味があって読みました。

毎年メンバーが入れ替わる中、常に全国大会に行くには、すごい指導力が必要でしょうね。

 本書では音楽性より人間性を重視した教育が大事だと著者のメッセージが伝わってきます。

部員がゴミ拾いをする、挨拶をするなどを紹介していました。教育方針は共感できます。

 しかしながら、教育は、教師と生徒があって成り立つのに、指揮者の石田先生の考えや想いは少ないし、生徒の成長過程という大事な部分が欠落しています。

特に、約200人いる部員から50人のコンクールメンバーを選ぶオーディションの取材を忘れているのが致命的ですね。

そこにはドラマがあったはず。

結局、著者が取材に行って、感じたことしか書いていない。文章も冗長で繰り返しが多く、構成力に欠けます。

 とはいえ、石田語録や市立柏高等学校吹奏楽部の運営の仕組みなど、常勝校はここまでするのか!と驚愕したのは事実です。

まさに3年間吹奏楽付けの日々です。

 本書によって、本質的なことはわからなかったものの、現状の活動についてはよくわかりました。

指揮者の石田修一先生が著した本はぜひ読みたいですね。

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