前回の続き

 

タクシーの後部座席に詰め込まれたゲロゲロG君。

 

助手席に乗るA君。

 

A「すみません。まず僕を送ってもらってから、G君を。」

 

「かしこまりました。Aさんの場所は分かるのですが、G君の家はどこになるのでしょうか?」

 

A「☆☆まではわかるんですが、詳しい住所はちょっと。。。」

 

A「おい!G!!住所言えるか??」

 

G「うえ~。☆☆町〇〇の××」

 

「言えましたね(笑)。ではナビにセットして・・・・・?」

 

「お客様。これGだけの匂いじゃありませんね。。。」

 

A「ですね。。。。これはヤバいですね。。。」

 

後部座席の足元に座り込み、座席に顔をうずめるG君。

 

すでに雨とゲロでベタベタです。

 

「とりあえず出発します。」はぁ・・・・

 

約10分。A君の家の前に到着です。

 

その間、雨が降っておりましたが、窓を開けて運転してきました。

 

A君は雨に当たりながら外の風を。私はもう鼻ふさいでました。

 

「到着となりますが、お客様。G君お金持ってますかね?」

 

A「分からないんですよね~。いくらくらいかかりますかね?」

 

「10,000円くらいだと思いますが、定かでは。。。」

 

A「すみません。ひとまず10,000円置いていくので足りなかったら何とかしてください。余ったら

 

 Gに渡しておいてください。すみません!!」

 

と言いながら外へ逃げて行きました。

 

(うそ~ん。。。。。これ、大丈夫なのか??)

 

と言ってても仕方ない。もう乗せちゃってるし、この仕事で本日終了だし、

 

帰ったらすごい掃除しなきゃいけないし。涙でそうなくらい臭いけど。

 

でも乗せちゃったら行くしかない訳で。。。。

 

車はA君の家から出発です。約45分の旅。

 

道中。すごいにおいにやられます。

 

雨はジャンジャン降っておりますが、窓は全開です。

 

G君はビタビタに濡れておりますが、う~う~唸りながら寝ております。

 

車内も雨に打たれてビタビタです。

 

かわいそうに・・・

 

私もかわいそうだけど・・・

 

45分後、G君の家と思われる場所へ到着。

 

「お客様~~~!!!!!」だいぶ大きな声で呼びました。

 

パッと起きるG君。周りを見回すG君。でも周囲は真っ暗です。(だいぶ田舎です)

 

料金は10,300円くらい。

 

「家、こちらで合ってますか??」

 

G「・・・」

 

「料金10,300円ですけど、残金300円ありますか?」

 

G「・・・」

 

 

 

G「違います。」

 

????????

 

「家が違いますか?」

 

G「ここじゃないです。」

 

「住所、☆☆町〇〇の××であってますか」

 

G「はい。」

 

「では、ここのはずなんですが。」

 

私、ここまで全て口呼吸で鼻はふさいでおります。

 

周りを見回すG君。目を凝らすG君。何か見つけたG君。

 

G「ここで良いです。」

 

「では300円頂いてよろしいですか?」

 

不機嫌そうに300円を払うG君。

 

領収証を渡そうとするともう外で出てフラフラと闇の中へ消えて行きました。

 

 

さぁ、ここからが大変。

 

ひとまず近くの雨の当たらない場所へ。

 

社内の灯りを点け後部座席のチェック。

 

幸い後部座席の汚れはGがちょっと付いているだけ。

 

シーツを外し、トランクルームへ。

 

ファ〇リーズを振りまくり、かわいたタオルでふきふき。

 

雨で濡れておりますしね。

 

さて、帰るとしますか!

 

車に乗り込み、窓を閉めると。。。。

 

匂いが、、、匂いが!!!!!とれてなーーーーーい!

 

もうやけくそです。

 

雨の中また窓を全開にして約1時間の旅。

 

もう二度とゲロまみれのお客様は乗せないと心に誓った1日でした。

 

ちーん。