『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』  | ◆ 僕と映画と週末に ◆

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1966年 アメリカ 131分

Who's Afraid of Virginia Woolf?

◆作品情報はこちら~映画.com◆

 

監督 マイク・ニコルズ

1967年「卒業」 アカデミー賞 監督賞受賞

 

【CAST】

エリザベス・テイラー

 

リチャード・バートン

 

ジョージ・シーガル

 

サンディ・デニス

 

1966年「ヴァージニア・ウルフなんかこわくない」

エリザベス・テイラー アカデミー賞 主演女優賞 受賞” 

サンディ・デニス アカデミー賞 助演女優賞 受賞”  

 

 

監督 マイク・ニコルズ

これが初監督作品というのが凄い!もっともこれ以前は舞台関係の仕事をしていたので、この作品が戯曲の映画化ということも功を奏したのかもしれないが、それにしても素晴らしい!

 

そしてマイク・ニコルズの代表作と云えば本作の翌年(1967年)に公開された「卒業」である。あまりに有名なので説明はいらないですね!ニューシネマの代表的な作品でもあります

 

 

 さて、本作「ヴァージニア・ウルフなんかこわくない」に話題を戻そう

中年夫婦の自宅に招待された若い夫婦がこの夫婦の罵り合いに巻き込まれる。次第にエスカレートしていき、若い夫婦も言いたいことを言い出す。

 

そしてラストへ。。。凄く簡単に言えばそんな感じなんですが(いや、なんぼなんでもかなり簡単に云っちゃってるだろう これは!)

 

本当は正直、思ってることをぜ~んぶ書いちゃいたいくらいの作品です。でもやめときます。

 

自分自身がそういうネタバレ的なものを良しと思っていないタイプなので、これまでもブログに直接書かずにTwitterを使って紹介文を書く程度に留めてるので。。。

 

でも、すみません。やっぱり今回は少しだけ、ネタバレにならない程度に書きます (;^_^A 

 

ということで、そこ(ネタバレ)が気になる方は見ないで下さい。って、そもそもこのブログ自体を見ている人もそんなにいないでしょうが(笑)

 

 

 

~ 擦り切れの愛 ~

 

 

 

夫婦の罵り合いと云っても、単なる夫婦喧嘩というものとは違います。罵り合いの中で徐々にあることが明らかになっていく。結構ヘビーな映画です。言葉もかなりキツく汚いです。

アメリカ人がよく罵る時に使う“FU●K”という言葉が初めて使われた映画です。

 

兎に角、物凄い言葉の応酬が繰り広げられます。そして4人の俳優がそれぞれに素晴らしい演技を見せてくれます。ただヘビーです (苦笑) 

 

 

 

 

ラストの解釈をどうとるか。。。

本作で罵り合う中、ある言葉がキーワードになります。

それはここには書きませんがたぶん、観ていれば直ぐに気が付くだろうと思います。

 

 

 

 

 

ラストまで観るとこの罵り合いは単に日常生活における不満とか苛立ちだけではなく、受け入れがたい現実との葛藤でいつしか暗い影を作り出してしまった。

 

簡単には抜け出せない苦悩の積み重ねが爆発してしまった。更にそこにいつにも増してお酒の力が手伝ってしまう。まるで今にも崩れ溶け沈みそうな泥船が辛うじて浮かんでいるかのような感じ。 

 

 

 

 

自分の解釈が正しいとは言い切れないのだけれど、映画のラストでボロボロになりながら、互いに傷つけ・傷ついて、すりっきれの精神状態の中にあっても、まだこの中年夫婦に愛を感じてしまう。それがほんの僅か一握りの砂のようで、それがこぼれないで欲しいと願う自分がいる。

 

 

初めて観た時はまだ若かったし、そこまで映画を掘り下げて観ようとしていなかったのだけど、いつしかそういう解釈をするようになりました。

だから、それ以降は作品の結末が分っているのに観る度に必ず涙が止まらなくなる。

 

映画の良さは自分の年齢や経験で同じ映画でもまた違った景色が見えるようになるところにあります。だから映画はやめられない。まあ、でも何度見ても大した景色が見えない作品もありますけどね (爆)

 

 

リズR・バートンは当時、実生活でも夫婦だったと思います。

この作品で実年齢より老けた役を演じるためにリズは体重を増加させました。

たぶん、これが彼女にとって初の汚れ役だと思うのですが、まあ、これが結構、嵌ってます。スレンダーで美しいリズが好きな人は見てはいけない作品かも (^-^;

 

   

 

それにしても、この作品で一番出番(台詞)が少ないのはサンディ・デニスだと思うのですが、この存在感がいい意味でめちゃくちゃエグいです(笑)

 

罵り合いに参加するというよりは彼女は巻き込まれた感が一番強いのかな。でも、結構、とんでもない女だったりします(笑)

 

正直、表情や言動を伺っているとウザくてイライラしちゃいます!でも、とても個性的で素晴らしいので自分としてはこの作品を観るたびに彼女に割と釘づけになります(笑)

 

 

 

1966年

“ヴァージニア・ウルフなんかこわくない”

 

 

“YouTubeより”