AKB48裏ストーリー 田野優花17歳、涙の理由(完全版) | AKB48、とある地方ファンの呟き

AKB48、とある地方ファンの呟き

とあるきっかけからAKB48のファンになりました。地方ファンの立場からいろいろと思ったことを綴っていきます。

先月TBSで放送された田野優花さん密着のドキュメンタリー番組、放送自体は地方なので観れませんでしたが、DMMでの配信が昨日から始まったのでさっそくチェックしてみました。

田野さんがデビューしてから現在に至るまでの軌跡というのを、彼女をよく知らない人でもわりと理解できる内容ではなかったでしょうか。元”あん誰”Pの竹中さんが手がけたということで、より深い切り口での描写を期待していましたが、他のメディアではなかなか見られない視点からの映像もあり、概ね満足できる内容でした。

田野さんのことを知ったのは3年前、2011年5月の12期生お披露目公演の映像が最初だったと記憶しています。デビュー公演ですので、振りがおぼつかなかったり、表情が強張ってる子もいた中で、田野さんは目を引くものがありました。その頃から12期生の中でエース的な存在という認識でしたし、劇場公演でのパフォーマンスについては、他の方も評価する声が多かったです。同期の高橋朱里さんのコメントはなかなか核心をついていて、今のAKBの現状そのものだと思いながら聞いていましたが、単にダンスや歌が秀でているから売れるというのではなく、なにか光るものがある子が売れるというのは、捉え方としては理不尽ですし、努力しても必ず報われるわけではないという非常な現実を突きつけています。

2012年の3月に研究生から5人が昇格となり、その中の1人が彼女でした。「昇格は時期尚早」という批判的な意見も見られましたが、実力という部分では彼女は十分その資格を満たしていたというのも自分の中の認識でした。当時の彼女に抱いていた印象は良く言えば「天真爛漫」、悪く言えば「子供っぽい」というものでした。感情がそのまま顔に出てしまうというのは、この年代であれば無理もないでしょうし、捉え方によっては魅力的に映る場合もありますが、反対にネガティブなイメージを与えてしまうこともあります。番組でも取り上げられてましたが他のメンバーや共演者から「怖かった」という証言はアイドルとしてはちょっとうーん、と首を傾げたくなりますね。確かに近寄りがたい雰囲気を醸し出していた時期もあって、気分によってすごくムラがある子というのはあったかもしれません。
劇場公演でのパフォーマンスは一貫していたし、本人も「劇場公演が一番好き」というのは本音だと思いますが、同期がテレビに出て活躍したり、最近では後輩が選抜に選ばれることについての「何で自分は選ばれないのか」と自分の存在意義について自問自答している場面もありました。あくまで個人的な見解ですが、選抜が全てではないし、もっと本質的には大事なことはあると思いますが、選抜メンバーに選ばれることの意義というのは、やはりファンが想像するより、メンバーでないとわからない境地なのかもしれませんね。

今年9月のじゃんけん大会、38thシングルの選抜メンバー発表の時の彼女の表情の移り変わりもなかなか興味深くて、期待、不安、諦観、そして最後に歓喜と数分間でいろんな思いが彼女の頭の中を駆け巡っていたのが伝わってきました。泣きじゃくる彼女に真っ先に駆け寄ったのが同じチームのキャプテンである横山由依さんでした。番組では彼女との関係性が田野さんに影響を及ぼしたという点が描かれていました。
横山さんとは組閣前のチームA時代からの付き合いですが、最近の田野さんを見ていると時期的にリンクする部分があるので、彼女にとって大きな出会いだったんですよね。

番組の最後の方で将来の夢について語る場面がありましたが、ちょっと意外で、彼女はそういうタイプではないという先入観があったので、驚きましたし、それまで彼女に抱いていた印象を改めざるを得ませんでした。いつまでも子供と思っているのは大人の勝手な思い込みであり、気づかないうちに精神的にも成長しているのだなと。この場面を取り上げれただけでも番組を作った意義はあったかと思います。

人数が多い分、どうしても埋もれてしまい、なかなか日の目を見ることのできないメンバーが多いというのは、今のAKB48グループですし、グループ全体の力をつけていく上で、個々のレベルを底上げしていくことも大事になります。昨年から今年にかけて、ドラフトであったり、チーム8であったりとこれまでとは違う方法での人材募集を行っていて、そのことについてはファンの間でもいろんな意見があります。採用に重きを置くというのは当然ですが、それより先のことをどのように考えているのか、中長期的な視点に立った上での採用から育成という部分がやや弱いというか、外からは見えにくい部分があります。メンバー同士はライバルであり、健全な意味で切磋琢磨する競争はあってもよいのですが、あまりにも早い段階でレッテルを貼ってしまうのは、結果としてやる気を削いでしまわないかという懸念があります。田野さんのように少し背中を押せば伸びる要素を持った子は他にもいますが、現実として多くのメンバーはその機会すら与えられておらず、それを本人の問題という自己責任論のみで判断してもよいのかという思いはあります。何にしてもグループが大きくなったことによる歪みというのは他にもあるような気がしますが、それはまた別の機会に。
ドラフト生やチーム8のメンバーは1人1人掘り下げていけば、それぞれ個性があって、魅力もあります。同じように今いるメンバーの中にもこれまであまり評価されていなかったが、何か光るものがあり、きっかけがあれば伸びる可能性を持った子もいるはずです。それを見出すのは各グループ、チーム、劇場のスタッフの仕事でしょうし、最終的にはもっと上の方、秋元さんもそれに含まれますが、いろんなしがらみがある中で、メンバーの想いやファンの想い、組織としてのメリット等を総合して双方がwin-winなやり方ってないのかなと。自分のしている仕事とか、今の社会の在り方とかを最近考えることが多いので、AKBに置き換えたらどうなるのかっていうことも考えたりします。結局は堂々巡りで結論は未だに出ていませんが、それでも考え続けることに意義があると思っているので、なかなか答えが見えない課題ですが、懲りずに向き合っていきたいです。

元”あん誰P”の竹中さん曰く「好評であれば第二弾の予定もある」みたいなので、少しでも多くの方にこのドキュメンタリー番組を見てもらいたいですね。





先月の鳥取で行われたチームKの全国ツアー、田野さんのパフォーマンスを生で観るのは久々でしたが、躍動感に溢れていて見ごたえがありました。以前からダンスは上手いなと思っていましたが、表情のつけ方や曲による緩急のつけ方に成長を感じました。何年先になるかわかりませんが、彼女が「なりたい」といったポジションに立てるように精進していくことを期待しています。

本当に第二弾があるなら、あのメンバーをぜひ・・・というのはAKBのファン(いわゆる非選抜メンバーを応援しているファン)ならば誰しも考えているんでしょうね、きっと。