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【第1段階「否認」】

 

子どもに障害があると知らされたとき、頭では医師からの説明を理解していても、心の中では

 

「そんなはずがない」

 

「何かの間違いではないか」

 

「この子は普通に育つはず」と受け入れられないことがあります。

 

これは、突然の衝撃的な知らせから自分の心を守るための自然な反応です。

 

「診断を受け入れられない」と言うと、親が冷たいように思われるかもしれません。

 

しかし、実際には「受け入れたくない」のではなく、あまりにもショックが大きくて、まだ心が現実についていかないという状態なのです。

 

周囲から「早く療育を始めたほうがいい」「障害を受け入れなくては」と言われるほど、親は追い詰められてしまうこともあります。

 

【第2段階「怒り」】

 

「どうしてうちの子が」「なぜ自分だけが」と、怒りや憤りが出てくる段階です。

 

医師や学校、療育機関、夫や妻、祖父母など、周囲の人に怒りをぶつけてしまうこともあります。

 

「もっと早く気づいてくれていたら」「普通に産んであげたかった」「なぜこんなことになったのか」と、自分自身を責めることもあります。

 

しかし、この怒りも、障害のある子どもを憎んでいるということではありません。

 

思い描いていた子育てや将来像が崩れたことへの戸惑いや悲しみが、怒りという形で表れていることがあります。

 

【第3段階「取引」】

 

「何かをすれば、この子は普通になるのではないか」と考える段階です。

 

「もっと療育を頑張れば治るのではないか」

 

「この教材を使えば発達が追いつくのではないか」

 

「食事を変えればよくなるのではないか」

 

「もっと親が頑張れば、普通に育てられるのではないか」

 

と、さまざまな方法を探し続けます。

 

もちろん、療育や教育、環境調整によって子どもの力を伸ばすことは大切です。

 

ただし、「親が頑張れば障害そのものがなくなる」という考えにとらわれると、親自身が疲弊してしまいます。

 

この段階では、「何とかして元に戻したい」という切実な思いが背景にあります。

 

【第4段階「抑うつ・悲嘆」】

 

さまざまな努力をしても、障害そのものをなくすことはできないと少しずつ現実を認め始めると、大きな喪失感に襲われることがあります。

 

「普通の学校生活を送ってほしかった」

 

「友達と一緒に遊んでほしかった」

 

「将来は自立してほしかった」

 

など、これまで思い描いていた子どもの将来像との違いに悲しみを感じます。

 

「この子の将来はどうなるのだろう」

 

「自分が死んだ後、この子はどうなるのだろう」

 

「一生、この子の面倒を見なければならないのだろうか」

 

と、不安や絶望感に襲われることもあります。

 

ここで大切なのは、「障害を受け入れたから悲しまない」ということではありません。

 

障害を理解し、子どもを大切に思っていても、悲しみや不安が出てくることはあります。

 

【第5段階「受容」】

 

少しずつ、「障害をなくすこと」ではなく、「この子はこの子として、どう生きていけばいいのか」という方向に視点が変わっていきます。

 

「この子には、この子なりの成長がある」

 

「できないことだけを見るのではなく、できることを伸ばしていこう」

 

「この子に合った学校や環境を探していこう」

 

と、現実を踏まえて子どもの人生を考えられるようになっていきます。

 

ただし、「受容した=障害をすべて前向きに捉えられる」という意味ではありません。

 

受容した後でも、落ち込んだり、将来が不安になったり、「どうしてうちの子なんだろう」と思ったりすることはあります。

 

障害受容は、ゴールに到達して終わるものではなく、子どもの成長や環境の変化に応じて、何度も揺れ動くものです。

 

【対応のポイント】

 

・「早く障害を受け入れましょう」と親を急かさない

 

・否認や怒りも、親が現実を受け止めていく過程の一つとして理解する

 

・「親の育て方が悪かった」と自分を責めないようにする

 

・「療育を頑張れば普通になる」という考えだけに追い込まない

 

・子どもの「できないこと」だけではなく、「できること」「好きなこと」に目を向ける

 

・障害のある子どもの将来を、親だけで抱え込ませない

 

・「障害を受け入れること」よりも、「この子に合った生き方を一緒に考えること」を大切にする

 

・受容のスピードは人それぞれであり、段階を行ったり来たりしてもよいと伝える

 

障害受容は直線的ではなく、行ったり来たりしながら進んでいくものとして捉えるのが適切です。

 

障害受容の5段階

 

キュプラーロスの死の瞬間を障害受容に置き換えてみました

 

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