【法律全般】 答案構成をするために(2) 請求 | 法学事始ブログ

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第三 請求

(設例1) Xは自分が所有する自動車1台を500万円でYに売る売買契約をYと締結し、即日車を引き渡した。しかし、支払期日を過ぎてもYはいっこうに売買代金を支払わない。Xは何を主張できるか。

請求とは、原告は被告に何を求めたいのか、金か行為かという問題である。
設例1ではXは色々なことが主張できる。
順当に売買代金を支払えとも言えるし、履行遅滞に陥っているから損害賠償をよこせともいえる。また、契約を解除した後、車を返せとも言える。
何を求めるか、請求を決めるのが、訴訟物を特定するための第一歩である。
先に挙げたこれらを言い換えると、
「売買代金を支払え」というのは売買代金支払請求
「履行遅滞に陥っているから損害賠償をよこせ」というのは履行遅滞に基づく損害賠償請求
「契約を解除した後、車を返せ」というのは契約解除に基づく原状回復請求
ということができる。

大きく分けて、請求は3種類
その目的が、登記か、物か、金か、に分かれます。
登記は、所有権移転登記手続請求、所有権抹消登記手続請求といったもの
とは、目的物引渡請求や土地明渡し請求
とは、代金支払請求や貸金返還請求、損害賠償請求、不当利得返還請求

さて、こうした請求をどれでいくかをまずは決めるのが法律実務では基本。
依頼人が相手方に何をしてほしいかを確定し、それを法律的に実現することが仕事であるため、
まずはそれを身につける必要があります。

(設例2) XはYが所有する自動車1台を500万円を買う売買契約をYと締結し、即日売買代金を支払った。しかし、引渡期日を過ぎてもYはいっこうに自動車を引き渡さない。Xは何を主張できるか。

さて、以上のように請求を決めました。
そこから次回にお話しする訴訟物の話への架橋となる話を。
請求をするにあたって、その請求には複数の訴訟物が存在する場合があります。
いわゆる請求権競合です。
つまり、ある契約を行った時、その契約によって債権の発生と物権の変動がおこることがあります。
たとえば、売買契約の効果は
①売主の代金支払債権の発生
②買主の目的物引渡債権の発生
③所有権の移転
という3つになります。
①②が債権的効果であるのに対し、③は物権的効果になります。
とすると、買主は、売主が目的物を引き渡してくれない設例2のようなケースでは
2つのことが考えられるはずです。
1つは売買契約の債権的効果に基づいて、
「契約によって目的物引渡債権が発生している。この債権に基づいて目的物を引き渡せ」
もう1つは売買契約の物権的効果に基づいて、
「契約によって所有権を取得した。その所有権に基づいて目的物を引き渡せ」
この場合には、いずれでも請求が可能と言うことになります。
この何に基づいて、請求をするかというのが訴訟物の話になります。
いざ請求をするということになると、その訴訟物の法的構成は様々に可能です。
どの場合が一番依頼人のために資するかという観点で見てあげる必要があるでしょう。

さて第四 訴訟物までの課題を一つ。
請求は登記、物、金と三種類があると先ほど話をしました。
それぞれを請求するにあたって、
契約に基づく請求、物権に基づく請求、その他債権に基づく請求(不法行為や不当利得など)と分けられそうです。
それぞれが可能かどうか9×9のマトリクスで整理してみましょう。
たとえば、先の設例1から、契約-金が、設例2からは、契約-物、物権-物は可能なようです。
このような分類をぜひやってみてください。

次回は訴訟物。
話が細かくなっていきます。

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