里親になってすぐ、新生児委託の話しがありました。
「もうすぐ産まれる予定で、養子縁組前提の委託」でした。

 『養育里親に登録したわけ』で書きましたが、我が家は養子縁組をほぼ諦めたような気持ちでいたので、正直戸惑いました。その時の話を書きます。

※自分の備忘録として と 参考になれば。
書いてたら意外と長いので複数回にわけます。



 里親に認定されて数日後、児相から電話があり「委託を考えているお子さんの話があります。数週間後に出産予定で養子縁組の可能性があります。詳しくは児相でお話しますので、ご夫婦で来てもらえますか?」と打診がありました。日程を調整して二人で話を聞きにきいました。
 
 委託前の話しなので、児相からは簡単な(個人情報を含まない)実親の事情と出産予定日と性別(確定ではない)を聞き、受託した場合の流れを確認しました。
・里子(養子)に出すかは出産後から退院までに最終確認をする
・出産後、通常の母子退院のタイミングで病院に赤ちゃんを引き取り行く
・養子縁組までの大雑把な流れ

すぐには決めなくていい、数日後にお返事の電話するということで帰宅。

帰宅後すぐに、夫婦で話し合いました。
ここで大きな問題になったのが『養子縁組前提』である事と『病気・障害』を持った子どもだった場合についてでした。

養子縁組となると一生の問題です。病気や障害を持って産まれた子どもを一緒に責任を持って育てられるのか…どの程度なら許容できるか…真剣に二人で考えました。


ここできれい事はいいません!すいません!ごめんなさい!私は神様でも仏様でも、キリスト様でもマリア様でもありません。お叱りも受け付けません!

正直な気持ちです。
私は自分で産んだ子どもなら、「病気だろうが障害があろうが無条件に愛し育て一生をかけて守る!」といえると思う。(思う って、ここでも弱気…)
でも、養子縁組した子どもは違うと感じるだろう。
もし、産まれた時から、大きな病気や一生介助が必要な障害があったら?我が子として自分が死ぬまで責任を持って愛情を持って育てられる自信も覚悟もない。
と、思ってしまった…

※数年後に大病を患うとか、事故で障害が残ったとなれば受け入れられるだろう、それまでの間に色々、親としての自覚とか覚悟とかできるだろう。(希望的観測?)とは思う。


ただ、里親になってすぐのことでモチベーションは高いから受託したい気持ちは大きい。そして、何よりまだ産まれてない…どう考えても両手をあげて「我が家でお引き受けします」とは言えない状況です。

なので以下の様な条件付きで受託する意思を伝えました。

・実親の健康状態と胎児のうちにできる検査の結果が陰性であること
・こちらの希望した通りの性別であること
・出産後の検査で明らかな病気や障害が見つからないこと
・退院後から正式委託されるまでの間に、(我が家が思う)重大な病気・障害と診断されたら養子縁組はしない、許されるなら養育里親として引き受けたい

児相の担当者も理解してくれて、さらに「実親の気持ちが変わることもあるので、その点もご理解ください」といわれました。

条件付きとはいえ、答えを出すまでの話し合いはとても苦しく辛いものでした。

・病気や障害の子どもを差別する行為なんじゃないか…
・養子縁組したらサポートがほぼない状態は不安だ…
・こんな条件つけるなんて、里親の資格ないんじゃないか

など、自分の弱い部分や甘えと向き合い、それでも里親として子どもを守りたいという想いが渦巻いていました。

その数日後、電話で
「赤ちゃん無事に産まれました。希望の性別です。また御連絡します。」
と、赤ちゃんの誕生を知りました。
ほんと、取り急ぎ!って感じの連絡でした。


つづく