昨日の続き。今日はデメリットについて。
・外国の通貨から円に換金した時、換金できる円の量が減るので、外国から日本への旅行客が減る。それにより、外国人が多く訪れる京都や奈良などの観光地で客足が遠のき、観光業界の景気が悪くなる。
・海外出張をしている日本人は、現地の通貨で払われた給料を日本円に換金すると、同じ給料でも円高の時の方が、所得が低くなる。
・製造業などの輸出産業は、外国で得た利益を日本円に換算すると、利益が落ちる。円高になった時点で企業の業績悪化を予想した投資家が、輸出企業の株を売る。日本は輸出企業が多いため、円高とほぼ並行して日経平均株価が下がる。
・日本からの輸出により利益を得るのが難しくなった企業は、生産拠点を海外に移すケースが増える。すると、日本国内で工場が減少し、産業の空洞化が起こる。雇用が減るため失業率は高くなる。海外で製品を生産する中で、日本の技術が流出し、日本企業が技術力で外国に対抗しにくくなる。
・外国製品が安く日本に入ってくるため、国内で作られた製品も値下げされ、デフレに陥る傾向がある。すると、値下げした側の企業の収益は下がる。それが社員の給料に反映されると、国内需要が縮小し、デフレスパイラルに陥る可能性もある。(ただし、年金受給者や公務員など収入が固定されている人にとってはメリットとなる)
※日本は貿易黒字の国であり、輸出産業が経済のけん引役である。よって、日本経済全体で考えると、円高は日本経済に悪影響を及ぼすと考えて良い。
・・・という結論に、一応達しました。
異論がある方はどうぞ!