黄昏の黄色い帽子に一番星……☆ -4ページ目

キャバクラ嬢物語 ~電車の窓のスクリーン~

<<キャバクラ嬢物語 ~君がいない夜~の続き・・・・>>

 

 

 

今、大ちゃんは仕事で四国に出張中・・・
2月に、お好み焼きデートして以来、会えずじまいで、、、
会えない時間で、いろいろ考える私。

仕事が終わって、帰宅する頃は夜明けの空
明け方の空眺めて
確かめてみる
私の想い

今、大ちゃんに恋している途中・・・

・・・・・
今度、大ちゃんが大阪に帰ってくるのは4月上旬らしい・・・
 

 

 

『香織!今度、花見行こうか!』

花見なんて、したことのない私は少し戸惑う

『どこの桜?』
『柴島(くにじま)浄水場の桜なんて、どうやろ?』
『うぁーーー行きたい!』

梅田へ向かう阪急電車の中から、見ていた柴島浄水場の桜
電車の窓から、見る花見の風景は、映画のスクリーンのようで、、、
なんか、私の住む世界とは違う、

 

 

 

 

そして遠い遠いところのような気がしてた

『ホンマにそんなに喜んでるの?喜び過ぎやで!』

大ちゃんには不思議がられた、私の喜びかた
ピュアにはしゃぐ私って、違う自分みたいや

『最近、香織、変わったな』
『えっ?』
『なんか、純情な女の子みたいや』
『だって、純情な女の子やんか!』
『どこがや』

『こないだオカンに大ちゃんの事を話ししたら、オカンが大ちゃんに会いたいって言うてたわ』

『イッペン声聞いたこと有るで、実家に電話したとき。』

『オカンもその時のこと、覚えてるって言うてたわ』

 

そして、桜咲く頃に合わせて約束をする。

 

待ち合わせは、夕方、、、
阪急の崇禅寺駅の改札口

 

 

 

リフィート 脚痩せ

 

 

黄昏の黄色い帽子に一番星……☆

 

 

 

 

 

キャバクラ嬢物語 ~君がいない夜~

 


<<キャバクラ嬢物語 ~肉まん・パーカー~の続き・・・・>>

 

 

 

大ちゃんからは、
誕生日とクリスマスに、心のこもったプレゼントをもらった

香織の中では、間違いなく大ちゃんの存在は特別になりつつあるんだけど、、、
大ちゃんと出会って、最初の頃に
『今、彼氏要らんねん』
『そうなんや、俺も彼女おらへんけど、今は要らんなぁ』

そんな話をしたことを覚えている
それが、なんか、心のどこかに、、、、

でも、、、、
どうせ、頭悪いんやから、深く考えるのはやめようっと、自分に言い聞かせ、

季節は2月
そして、もうすぐバレンタイン。

出張中で、最近会ってない、大ちゃんに℡してみる
『大ちゃん、何か欲しいモンある?』
『別に何も無いよ』

何かつれない感じな大ちゃん・・・

『モノじゃなかったらアカンか?』
『えっ?』
『香織と一緒にお好み焼きを食べる・・・・・』
『お好み焼き?』
『お好み焼きを食べる“時間!”が、欲しいなぁ』

・・・・(プレゼントは“時間?”)・・・・

離れ離れの今は、二人の会える時間は、お互いへのバレンタインか、


『近いうちに、イッペン大阪帰るから・・・。又、連絡するから・・・』
『ウン』
『仕事、頑張るんやで!』
『・・・・・・(ウン)』
何故か最後は言葉にならなかった返事
少し、自己嫌悪になっている、香織の心の中を見られた感じがした
そう、、、
大ちゃんはいつも香織を見つめてくれている
思い込みだけかもしれへんけど・・・・・



♪~
ずっと一緒にいた
二人で歩いた一本道
二つに分かれて
別々の方歩いてく

寂しさで溢れた
この胸かかえて
今にも泣き出しそうな空見上げて
あなたを想った...

君がいないよるだって
そうno more cry
もう泣かないよ
がんばっているからねって
強くなるからねって

君も見ているだろう
この消えそうな三日月
つながっているからねって
あいしてるからねって・・・・



絢香『三日月』より・・・

 

 

 

香織と大ちゃんの距離は、近いんだろうか、遠いんだろうか、、、、

 

 

 

 

 

 

 

黄昏の黄色い帽子に一番星……☆
 

 

 

 

 

キャバクラ嬢物語 ~肉まん・パーカー~

<<キャバクラ嬢物語 ~淀川の橋の上~の続き・・・・>>



<<<<どんなテレビドラマでも、イブの夜は雪がちらつく・・・・
暖冬で、
そして、都会のネオンに
降りしきる、細かい雨

 


 

この雨は
夜更けすぎに
雪へと変わるのでしょうか?

キャバクラで働く香織の、ある年のクリスマス・・・・>>>>




行列になってる、店の入り口
世の中には、キャバクラにイブの夜を求める男性が多いんだなぁっと実感

でも、今夜も大ちゃんは来ない・・・・・

そんでもって、今夜も香織を指名してくれるお客さんで、店内はあふれかえっている
同僚達の、冷ややかな視線を一身に浴びながらも、全く気にしなくなった自分が怖くなったりもする


そして、クリスマスプレゼントの嵐!
何のお返しも出来ないのに、ありとあらゆるモノが出てくる
ケーキ、指輪、ネックレス、ミニツリーetc......

笑顔で「ありがとう」を言いながらも、持って帰るモノは、何も無いという真実に、微妙に淋しさを感じる

店が終わり、送迎車に乗り込んだ時、ケータイに着信
相手は大ちゃん

『お疲れさん!身体の調子はどうや?』
『ちょっと風邪気味やねん』
『いくら、暖冬でも、暖かい格好せんとアカンで』

とりとめのない会話
全然イブらしくないなぁっと思ってたら、、、

『クリスマスプレゼント渡したいんやけど、今から香織のマンションに行っていい?』
『えっ?』

AM5:00・・・・

『大ちゃんは、今、どこに居るの?』
『・・・・・』
『どこ?』
『実は香織のマンションの下・・・』
『えっ!もう来てるんや、たぶん、20分くらいで帰れるから、待ってて!』
『わかったよ!』

そして、帰宅すると、マンションの下に大ちゃんのパジェロが、
でも中を覗いても、大ちゃんがいない!

と、その時、、、、
首筋の熱い感覚に驚く
『アツっ!』
『ビックリした?(笑)』

コンビニで買ってきた肉まんを手に大ちゃん登場

『20分くらいでって言ってたから、あったかいやつ買うてきた』
『どうしたん?こんな時間に』
『だから、プレゼント・・・』

照れくさそうに、紙袋を差し出す大ちゃん

『開けていい?』
『うん』

紙袋の中から出てきたのは、フード付のパーカー
スゴク暖かそうな感じ

『何でパーカーなん?』
『香織、部屋の中で着るもん、あんまり無さそうやから』
『当ってるわぁ』

ナゼか、しばしお互い沈黙・・・

『香織には、部屋でいる時間を大切にして欲しいから、部屋で着るモンにしたんや。

街中で、きらびやかでいるより、プライベートで暖かい格好していて欲しいから。』


テレビドラマだったら、この瞬間に雪なんやけど、、、
降りしきる、細かい雨

脚色された心より
大ちゃんの真心が嬉しい


肉まんより暖かいドキドキ
黄色のパーカー・・・・







黄昏の黄色い帽子に一番星……☆

キャバクラ嬢物語 ~淀川の橋の上~

<<キャバクラ嬢物語 ~車の中でかくれてキスをしよう~の続き・・・>>


お客さんの中で、大ちゃんだけが知ってる香織のマンション
℡があり、大ちゃんのパジェロで店まで送ってもらう
夕方の込み合う道路
夕暮れから、夜のネオンへと、灯りの主人公が変わっていく

『タバコ吸っていい?』
『いいに、決まってるやん!どうして急にそんなこと聞くねん?いつも、吸ってるやん』
『・・・・・・なんとなく・・・・・』

自分でもわからへんかった
でも、何となく聞いてみた

『大ちゃんさぁ、好きな人とか、おれへんの?』
『おるで、100人くらい』(笑)
『香織は何番目?』
『そうやなぁ・・・少なくとも2番目以下でないことは、確かや』
『上手いことゆうなぁー』

少し、キュンとなった
運転してる大ちゃんの横顔を、さりげなく見た
一瞬だけ見た
一瞬しか見れなかった
見つめ返されるのが怖かったから・・・・

『ビールある?』
『冷えてないけど、ダッシュにあるよ。呑んでええで、香織の為のビールやから、それ』
『いただき!』

ぬるいビールが、ほろ苦い

『前にさー、香織が今は 「彼氏、要らんねん」 って言ったん覚えてる?』
『覚えてるよ、いろいろあったからやろ』
『今、彼氏欲しくなってきた』

告白のつもりだった
衝動的に
つい口がすべった感じ・・・

車は淀川の橋を渡っていた
もうすぐ、梅田・・・・
ココから見える、風景は大好き・・・


『どっかに、ええ人おらんのん?』
『えっ?・・・・』

ドキドキしていたら。飲みかけのビールをこぼしてしまった
慌てて、後部座席に置いてあったタオルを大ちゃんが、取ってくれた

『服、大丈夫か?』
『服はええけど、車のイスのほうが結構濡れたかも』
『かめへんよ』

えっ、このタオル、微妙に女性♀のニオイが、、、、、

・・・・・・・・・・・・・

車は、店へ行く路地の前に到着

『行ってくるね、ありがと』

・・・(やっぱり、客に恋するってありえへんのかな?)・・・・

揺れる想いってこんな感じなんや・・・・・





 


黄昏の黄色い帽子に一番星……☆

キャバクラ嬢物語 ~車の中でかくれてキスをしよう~

<<キャバクラ嬢物語 ~非恋愛宣言~の続き・・・・>>


初めて、二夜連続で、大ちゃんが店に来た、、、


『どうしたん?』
『二日続けて来たら悪いか?』
『そんなわけ無いやん!』

その夜は、既に香織の指名客が3人も来ていて、大ちゃんにはあまりついてあげられない感じだ

他の指名客についているときに、大ちゃんがマイクを握りだした 。
♪~流れてきたのは、香織の大好きな『車の中で隠れてキスをしよう』・・・・


(昨夜、あれほど、拒絶反してたのに・・・・)



♪~もう二人は 子供じゃないだけど
いたずらにただ 傷つけてくだけ
抱きしめても すり抜けてゆく君の
その心を 閉じこめていたい

車の中で隠れてキスをしよう
誰にも見つからないように
君は泣いてるの?
それともわらってるの?
細い肩が震えてる

誰もいない 月の浮かぶプールに
忍び込んで 波を立てる君
震えている 青ざめた唇を
僕に見せて 笑い転げてる

車の中で隠れてキスをしよう
誰にも見つからないように
疲れ果てたまま 
静かに眠る君を
いつまでも見守ってる

uh---~







なんだか、胸が熱くなる
こんな感じって、今まで経験が無い
初めての感覚、感激、喜び
そして、素直に嬉しいって、思える
素直な・・・・嬉しさ・・・・



『ありがとう!感動した!』
『嬉しそうな香織の笑顔見えてたよ!』
・・・・・
『今、見たよ、香織のホンマの笑顔』
『えっ?』


客に恋するなんてありえないと、思っていた・・・・
そして、しばらく、恋愛なんてでけへんと、思っていた・・・・

でも、今のこの嬉しさは
一体何なのだろう?
初めての気持ちに、戸惑っているけれど


店での香織は着実に指名が増えてきている
店長やスタッフ達は、香織のことをべた褒めすることが増えてきた。
「香織ちゃんあってのこの店やから~」
こんなセリフに愛想笑いの作り笑顔
客の前では、愛想笑い、作り色気、偽りの愛情を振りまきまくっている

いつしか、本当の笑顔を忘れてしまっている
それに気付いてくれた、大ちゃん・・・・・


ある日の夕方、大ちゃんから℡


『出先からの帰りなんやけど、店まで送ったろか?』
『うん、頼むわ!』
遠慮なく甘える香織・・・
大ちゃんのパジェロでご出勤(嬉々)






 


黄昏の黄色い帽子に一番星……☆