70歳の浮気 |         きんぱこ(^^)v  

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      砂坂を這う蟻  たそがれきんのすけ

 先日、浮気の話をちらっとしました。


 人はなぜ浮気をするのか・・・・なんてことは、私なんかにはわかりまへん。(笑)


 たぶん、浮気をしてみたくなったからされておられるのでしょう。ラブラブ


 そしてそこに、そういう流れがあった。

 その流れに乗るべきか乗らぬべきか・・・

 こんな風になったらどうしよう・・・

 ・・・と思っている時点ではすでに浮気が始まっていることが多いかも。

 
        きんぱこ(^^)v  -1


 じゃあ、70歳を超えた人でも浮気は浮気かい?

 そういえば、以前に80歳の老人の痴話げんかで殺人なんてこともあったっけ。


 私の友達に、通称「おとうちゃん」と呼ばれて親しまれているおじさんがいます。

 競馬場で知り合った。

 なぜか馬が合うというか・・・競馬場だからでしょうかね・・・。

 おとうちゃんの家にも遊びに行ったことがあるほどです。


 とうちゃんは小さな工場の社長さん。

 けど見かけは油まみれという感じの小柄なおじさん。

 技術は日本でも数えるほどしかいない加工技師。

「今日は久しぶりに行かんかぁ」

 と電話がかかってくる。

「ええよ、行こか」

 と答えて家をでる。

 私はわずかな小遣いでちまちまとかけ始めるが、お金が入ったおとうちゃんは札束を持参。

 勝ったらたまに焼肉やうな重をおごってくれる。

 奢られてばかりではない。

 私だって年に数回は当てるから、その時はごちそうするのだ。


 ある日、おとうちゃんは30万馬券を当てた。

 私は言った

「やったね とうちゃん、きょうは牛丼や」

(古いコマーシャルやなぁ)

 そのジョークに気づかないおとうちゃんは

「牛丼じゃああかんやろー、よっしゃうなぎいこか」

「おー、ごっちゃん」

 そういって4000円のうな重をごちそうしてくれた。

 やっぱり4000円もするとうな丼はむちゃくちゃ美味い。

 肝いりがたまらん!


 二人でうな重を食べながらおとうちゃんは言った

「今日は小金も入ったし、女のとこでも行こかー」

 驚いた私は聞き返した

「へーおとうちゃん、女いてるの」ドクロ

「ほらおんなくらいおんがなぁ」

 おとうちゃんは笑いながら言った。

「せやけど、もうナニは無理やろ」

 私は普通に思った疑問を投げかけた。

「なーに言うちょーやぁ、やるに決まっちょら」目

 私は思わず食べかけのウナギをこぼすところだった。

「え”~~・・・出来んの」

「当たり前やないかぁ、やらずにかえれるかいなぁ」

「えっ・・・けどっ・・・もうあかんやろ?」

 70歳で、絶対に無理や。と思った私はまだ信じてはいなかった。

「薬のんだら一発やで」

 やっぱり。しかし余計に心配になった。

「もうええ年やのに、心臓発作でもおこさんといてや」

 おとうちゃんは笑いながら意に介さない。

「そーんなもん、どーってことないで」

 私はすっかりタジタジ。あせる

「しかし、げんきやなぁ。相手何歳なん?」

「三十過ぎや」  モグモグ

 なぬ、三十歳。若いやないけ。

「結婚は」

「しちょる」

「嫁はん、知ってるの」

「知っちょる」

「何ともないの」

「んなもん、どうってことあるかいな。信じちょらんし」

「確かになぁ」

 そして、店を出たおとうちゃんは、女に会うべく颯爽とミナミの人混みへと消えていった。


 70歳の浮気。

 なぜか罪悪感を思うより「がんばれー」と応援したくなったのは私だけ?


 おれも70歳超えてもがんばるぞ・・・・がんばる・・・・かな?。