ひょんなことからコンピューターの世界に入って、システムを客先に収める仕事をしてきて早や25年。
中小企業が主体だったこともあり、導入した会社は200社を超えてしまいました。営業と違ってシステムの導入は注文が取れてから数ヶ月から1年間、お客さんの中に溶け込みながらの仕事となります。製造業や物品販売業、物流から証券まで様々な会社を見てきました。
会社は一言で言うと儲けなくてはいけません。
・製造業は、一つ一つの製造物の利益は大したことがないものが多いです。しかし、注文が一定量入り続けます。もちろん品質や納期の結果が悪いと注文は落ちるし、常にコストダウンに頭を抱えます。しかし、小さな利益をコツコツと積み上げて行く商売。
・物品販売業は、正直言ってなかなか売れません。売上も安定しにくいです。どちらかというと製造業のような品質重視ではなくて、いかに売り込むかが大事な世界でしょう。
・コンピューターの世界はどうでしょう、パソコンなどいわゆるハードを売る会社、富士通やNECなどはどんどん価格も下がってきて、聞く話によると年間200万台ほど売らないと儲からないと聞きます。ソフトを売る会社はどうでしょう、これは受注が不安定極まりない世界で、しかも人件費主導型。客からシステムの話を聞いてきてカスタムで導入する仕事はもう成り立たないでしょう。見積もる金額と客の予想する金額とのギャップが大きすぎるのです。金額を下げると給料も下げて人材が逃げて行く。一応技術職でもあり、人材を育てるのに時間がかかります。時給1000円や1500円程度では、「こんな時間に振り回されて、技術的に悩まされて、納期仕事を詰め込まれて、他の仕事しているほうがいい」と逃げて行くかもしれません。バブルの頃ならともかく最近のプログラマーで年収300から400万程度が主流なのではないでしょうか。最近はシステムをパッケージ化させてそれを基に販売展開をしている会社がほとんどでしょう。
一時期、保守料を取って会社を維持して行くことも流行りましたが、最近は保守料の割高感が増えてきて、安定収入の仕組みを考えられない会社はもたなくなってきているのではないでしょうか。
・ネット販売の世界はどうでしょう。楽天やYAHOOのようなショッピングモールを提供する会社はうまくやっています。これらの会社は大げさに言うと物品なんか売れなくても利用料や広告料で設けているので問題ないわけです。逆にネットで物品を販売している会社はほとんどが赤字なのではないでしょうか、普通に売るとそんなにバリバリと売れるわけが無いのです。
ネット販売の世界はまだまだ理屈の構造の中で騒がれているだけで、以前より購入者のネット利用は増えましたが、絶対的には利用者がまだまだ少ないのです。
利用者を増やすには、まだ数年から十数年かかるのでしょう、形は出来ているとしても、例えば携帯から欲しい時計を探すだけでも一苦労。そんなんじゃあ駄目ですよね。探しているうちに疲れるか飽きてきて購入意欲が落ちてしまう。
SEOやアフィリエイトと言われているものが頻繁に行われていますが理想には程遠いですよね。決済方法については確実に進んで、どの店もクレジットから着払い決済まで標準装備するようにはなって来ました。
購入者が買いたいと思った時に買いたいものがサッと表示されて簡単に買える。
購入意識の無かった人に購入意欲をわかせてサッと買わせる。
これだけのことなのでしょうが、便利にはなったとはいえスムーズではありません。
ネットは爆発的に売れた場合は爆発的な利益が取れることは間違いありません。しかし、そんなことは氷山の一角で、コツコツ地道に顧客を増やして行くしかないのでしょう。じっと売上を待っていてもどうしようもない世界であることだけははっきりといえます。
人間が情報を受け入れる許容量はほんの僅か。その中にどうやって売り込むのか。
誰もが簡単にバーチャルリアリティーの世界に入って行ける時代になると、商売も変わってくるでしょう。
人間の脳をコントロールできるわけだから・・・。 オ・ソ・ロ・シ・イ!