伊藤修二 「黄昏シンドバッド」 -3ページ目

伊藤修二 「黄昏シンドバッド」

 ・・・仙台市在住。東北大学経済学部卒業 放送作家(日本脚本家連盟会員)  詩集「ひとり荒野」 小説集「明日。」 「セクシードラゴンの夏」などを出版。アマゾンで購入できます。寄せられたコメントは公開していません。フォロワーも求めていません。

        荒野

 

  青年は荒野をめざすと言った

  なぜ
  豊かな大地ではなく
  荒野なのだろう
  豊かな大地は、すでに他力であり
  荒野は、未知の自力が試される 

 

  自分の中に
  見果てぬ荒野がある限り
  あなたは青年である

   kindle出版 「ひとり荒野」より

 

   祖国

 


    わたしの祖国はこの国ではない
    隣の国でもない
    はるか遠くの国でもない
      
    わたしの祖国は
    国境のない
    自由で平和な国である
      
    しかし
    そこへは夢でしか
    辿り着けない

    kindle出版「ひとり荒野」より
 

     悲しみ

  わたしの悲しみは
  あなたにはわからない
  あなたの悲しみは
  わたしにはわからない
    
  あなたの悲しみと
  わたしの悲しみが深すぎるのだ

   Kindle出版「ひとり荒野」より


 

    風のように・・・

  たとえ、明日
  わたしが死んだとしても
  世界は何も変わらない
  地球も平然と回り続けるだろう
        
  あなたの死も同じだ
  わたしたちは
  生まれながらにして
  自然の摂理に打ち負かされている
        
  だから
  何もいきり立つことはない
  無理して踏ん張ることもない
  すべて、あるがままでいい
        
  きょう
  あなたの傍で吹いている
  風のように・・

 

       kindle出版  「ひとり荒野」より