高校受験は大学受験と異なり、基本的に中学の先生がOKを出さなければ志望校を受験することが出来ない。
私立受験にあたってはX県の先生は実力テストの成績を重要視する。
私立高校への受験を目指す次男はこの実力テストで良い成績を残さなければ希望する☆☆高校を受験することが出来ない。
その為、10月下旬に実施される実力テストを目標に勉強を進めることとし取り組んだ。
塾のH先生からは、ある校外模試の受験を勧められていた。
「私立高校はその模試の成績を判断材料としている。私立受験の大きな目安となるので受験した方が良い」
というのだ。
しかし、その模試は問題が難しいため、今の次男ではかえって自信を失くす結果になると思い、10月の受験は差し控えることとし、11月上旬に受験することとした。
勉強を教える中で最も苦労したのが数学である。
次男は最も数学を苦手としていたため、最も時間を割く必要があった。
塾では元教師の先生や大学生の先生から個人指導を受けていた。
塾の送りは妻が行い、迎えは会社からの帰宅後、極力私が行い車中で色々な話をしたのだが、次男の表情が徐々に変化していくのが分かった。
これまで柔道の世界しか知らなかったが、
「大学生の先生から大学での色々なイベント・出来事を聞いたわ。大学生って最高やなあ」
と嬉しそうに話すようになった。
また、同世代の生徒達が一生懸命勉強している姿にも大きな刺激を受けたようだ。
私達が暮らすX県のN市は関西でも勉強が非常に盛んなエリアであり、実際に塾からの帰りの道中だけでも8つの塾があった。
「それぞれの塾でみんな頑張っているんやなあ」
「そうやなあ」
という会話もした。
私も自分自身の大学時代の記憶を次男に面白おかしく話して、次男が少しでもリラックス出来るようにした。
次男が通った個別指導塾では毎回の講義毎に勉強の進捗状況や生徒の様子等についてのフィードバックがある。
そのコメントを見ると
「非常に集中力がある」
「上手く進捗している」
との内容が多かった。
H先生からも
「やはり柔道で培った集中力が凄いです。どんどん学力が伸びていますよ」
と言われていた。
こうしてこれまで知らなかった新しい世界に触れた次男は大きく変化していくのだった。