注意

初期国民の死亡についての記事です。ご注意ください。








それは、誰にも突然に訪れます。
けれどもそれは、あまりに早いものでした。

ローガンが成人してすぐの、ある春の朝のこと。
朝いちばんに畑仕事をしているローガンのもとにやってきた彼は、こう言いました。

…父さん、嘘だろ??

10日ほど前に20歳になったばかりの父。


誰にも訪れることではあります。

だけど、あまりにも早すぎる。

ぼうぜんとしました。


信じきれないまま、同じ話を聞いたであろう母とふたり、探索へ…

母さんは前を見つめたまま、ぽつぽつと父さんの話をしました。


デヴォン国からやってきたフレヤに興味津々で、故郷の話をたくさん聞いてくれたこと。

エルネアの言葉を教えてくれたこと。

毎朝、フレヤよりも先に赤ちゃんにミルクをあげてくれたこと。

仕事に全力を向けるフレヤを、いつも支えてくれたこと。


ローガンも、父の話をします。


ごはんを作ってくれたこと。

毎日のように、授業のあと学校まで迎えに来てくれたこと。

お出かけに連れて行ってくれたこと。

きょうだいみんなに、いつも優しかったこと。


父から言われた「あのこと」には触れず、それでも父の思い出話をたくさんしました。


その後は、できるだけ父と過ごすようにしました。



収穫祭の前日にはカサンドラが生まれ、初孫を見ることもできました。


収穫祭には、一緒にマトラ釣りをしたりと、楽しんで過ごすことができました。


そして翌日、

長女の誕生日、夏が始まる日が、「その日」でした。


最後の朝食。


ラゴでも食べたら、もっと長く生きられませんか…泣くうさぎ


食べ終えると、すぐにベッドに横たわってしまった父。


起きてくれるのを待って、香水をつけてもらいました。

せめて、良い香りで…


夕4刻の終わりかけ、「その時」の直前、父は奇跡的に起き上がってくれました。

ああ、うれしそうだね…

良かったよ…


そして翌朝…

ぽっかり空いた席が悲しい。

母さんも、これで「そろった」とは思えないんじゃないかな。

大人たちは食欲がないのか、軽いものを食べています。

ケネスが食べているのは、父の最期の朝食だったバーナの塩焼き。もしかして、昨日作ってもらっていたのでしょうか。切なすぎる…



家族を支え続けてくれた優しい伴侶であり、大好きな父でした。

今まで本当にありがとう…花束