星近藤毬生さん2(ピアノ奏者) 聡明・知的な現役大学生ピアニスト

 

桐朋学園大学3年生の近藤毬生(まりな)さん の後編です。

前編は、

https://ameblo.jp/tarsuke89-shiraito/entry-12397393034.html

 

 

1 ピアノ・トーク

〇受賞歴

・第2回日本ベートーヴェンコンクール中学生の部第2位

・日本ピアノ研究会第11回オーディション専門部門(16~29歳)南関東大会グランプリ及び横浜市長賞

・東京国際芸術協会第66回新人演奏会オーディション合格

その他入選等

(コンクールの待ち時間)

 

                   (受賞コンサートの表彰式)

 

〇ピアノの魅力

 やはり音色が魅力です。クラシック以外のジャンルにピアノが入っていると、透明感や緊張感が生まれます。

 また、これはデメリットにもなり得るのですが・・・自分の身一つで会場に行き、そこにある楽器で演奏できるのも面白いです。ピアノを選べないのは大変なのですが、毎回違う楽器で演奏し、その楽器や会場に合わせた音を考えることは、楽しみの一つです。

 

〇好きな演目

 作曲家では、フランツ・リストが最も好きです。

 リサイタルも、「オール・リスト・プログラム」など、リスト中心になることが多いです。

 中でも 『ダンテを読んで』 と  『BACHの主題による幻想曲とフーガ 』 は思い入れのある作品です。

 

〇技術・課題

「音色の幅を広げる」ということは、どれだけ楽器が上達しても、常に課題としてあると思います。

 ピアノは、触れば誰でも音を出せる楽器ですが、本当によい演奏をされる方は、色々な音の引き出しを持っておられて、それぞれの指を独立させて弾き分けられるのです。

 個人的にはこの点が本当に未熟で、もっと温かい音も出せるようになりたいです。

 美しく柔らかい曲はどうも苦手で、つい暗く激しい曲を選んでしまうので……。そういう選曲の都合上、力強いフレーズが多くなるのですが、「ffの部分を力で抑えずに響かせる」ことには、気を遣っています。

 

〇愛用のピアノ

 家では、「ヤマハのC5」を使っています。

 また、通っていたお教室のホールに、「ベーゼンドルファー 290インペリアル」がありました。

 普通のピアノよりも鍵盤が9つ多く(97)、その9つは白鍵も黒くなっているので、とても弾きづらいのですが(笑)、昔から特別な時に弾けるピアノというイメージがあります。

 この「ベーゼンドルファー社」のピアノは、私の好きなフランツ・リストの力強い演奏に耐えた事でも知られており、ベーゼンドルファーでリストの作品を弾けた時は嬉しかったです。

 

〇尊敬する音楽人

 昔から先生には恵まれていて、尊敬する方ばかりなのですが、今はやはり大学の師匠だと思います。

 聊爾ながら、教わる前は演奏をお聴きしたことがなかったのですが、お写真を見た時に、「絶対にこの先生に教わりたい」と直感し、ご指導いただける事になりました。そういった憧れがあったので、未だに畏怖していて、レッスンの度に緊張しています……。

 決して甘い先生ではありませんが、演奏家、指導者としてだけでなく、人として憧れている先生です。

 

2 プライベート・ライフ

〇外国  飛行機

 主に旅行ですが、フランス、トルコ、ロシアに行きました。

フランスは美術館や庭園も素晴らしかったですが、早朝から広い森を散策していて道に迷ってしまったのが最も記憶に残っています(笑)。

 

                      (パリの音楽博物館)

 

 ロシアでは、毎晩バレエや演奏会を鑑賞し、モスクワ音楽院で2名の先生のレッスンを受講できました。帰国後すぐに新人演奏会の予定があったので、ロシアで仕上げて頂けたのは本当に有難い機会でした。

 

               (モスクワ音楽院のチャイコフスキー像前で)

 

 今行きたいのは、勉強としてはハンガリーです。

 リスト音楽院があるという事も理由の一つですが、色々な国に留学された先輩方のお話を聞いて、「よい意味で綺麗過ぎない」ハンガリーが、私にとって居心地がよさそうだと感じた為です。

 観光なら南米です。

 滝が好きなので、アルゼンチンやベネズエラに行ってみたいのですが、なかなか同志はおらず、流石に南米には1人で行く勇気も無く……まだ実現できそうにありません。

 

                        (トルコで泊まった洞窟ホテル)

 

〇趣味・嗜好・特技

 王道の趣味ですが、読書 本が好きです。太宰治や織田作之助、石川淳といった、無頼派と呼ばれる作家が好きで、高校時代の論文では太宰治を取り上げました。

 あとは、お酒もよく飲みます(笑)。だいたい何でも好きですが、辛口の日本酒 日本酒 が最も好きです。

 

 耳コピが得意で、ポップスや映画音楽など、その場で伴奏を付けて弾けます。クラシック以外の活動の中でBGM演奏を頼まれることもあったので、思い付きで即興の曲を無限に弾き続けられます

 

 アマオケでは、ホルンも吹いています。中学で吹奏楽部に入った際に始め、昨年度は大学の副科でも履修しました。

 大勢で演奏する機会が多く、ピアノの表現にもよい影響があります。

 

〇カラオケカラオケ

 全くピアニストらしくないのですが、実はパンク、ハードコアが好きで、中学・高校時代には頻繁にライブハウスに行っていました。

 カラオケで選ぶのもこの辺りのジャンルの曲が多いのですが、あまり有名でないので、一般的なロックやポップスも歌います。

 

〇これまで会ったスゴイ人

 ロシアに行った際に鑑賞したバレエダンサーのスヴェトラーナ・ザハロワです。古典作品で活躍されている方だと思っていましたが、その日は記念公演だったようで、モダンな演出でも素晴らしかったです。

 ピアノの演奏にも体幹が必要だと言われますが、彼女の身体能力と芸術性の高さは流石でした。かなり厳しい環境で勉強されていたようで、他の色々な事を犠牲にしてバレエに取り組まれていたのだと思いますが、それもとても芸術家らしいと感じました。

 

3 現在・今後の音学活動

 外部の演奏会への出演機会を頂くようになったのは、大学1年の後期からです。現在もまだ大学で修行中の身ですが、年に数回リサイタルを開催しております。

 ソロが中心になっていますが、他の楽器の方と演奏する機会もより多く作っていきたいです。

 

                     (2017年6月 ヴァイオリンとのジョイントリサイタル)

 

 演奏活動の他には、楽器やジャンルを問わず編曲、採譜をしたり、個人でピアノの指導をしたりしています。

 レッスンはお子様も勿論ですが、現在は趣味で音楽を始められた大人の方を中心に行なっています。

 

 やはり、演奏活動は必ず続けていきたいです。

 在学中に自分がここまでリサイタルを開催出来ることになるとは思っていませんでしたが、まだまだ磨き直したい曲やこれからお聴きいただきたい作品が無数にあります。

 プログラムのテーマには拘っており、これからもなかなか聴く機会の無い面白いプログラムに挑戦していきたいと思います。

 

(取材を終えて)

「名鑑」最年少、現役大学生の近藤毬生さん でしたが、年齢に似合わない知性と教養溢れるご回答で、驚きました。学生でソロ・リサイタルを何度も開けるピアノの実力もさることながら、私はその知性にまいってしまいました!

クラシックを弾くお嬢様ながら、ハードロックをシャウトし、織田作之助(渋い!)を読み、日本酒を愛すというギャップもユニーク。聡明にして洒脱。魅力的です!

21歳。可能性無限大。これから近藤毬生さん は進化し続け、音楽家として大成する予感がします。

 

 

 

近藤毬生さんのFacebook

https://www.facebook.com/marina.kondo.311