近藤毬生さん(ピアノ奏者)1
可能性無限大、知性溢れる現役大学生ピアニスト。
近藤毬生(まりな)さんは、神奈川県小田原市生まれ。
神奈川県立相模原中等教育学校卒業、
桐朋学園大学音楽学部ピアノ専攻3年生。
1 幼少期 絶対音感教育
生まれは、神奈川県小田原市です。
小学2年に上がる際に相模原市に引っ越したので、正直小田原時代のことはあまり覚えていませんが、海にはよく行っていた記憶があります。
七五三の時にも、着物のまま海に行きました(笑)。
1歳半の頃、母親が「絶対音感教育」を知り、私もやりたいと言ったそうで、豊島区の「一音会ミュージックスクール」に通い始めました。
絶対音感教育プログラムで知られている珍しいお教室で、数日間かけて行われる発表会の他にも色々な行事がありました。
先生方はもちろん、卒業生にも活躍されている先輩方が多数いらっしゃいます。
音感訓練には家庭の協力が必須なので、音楽家の家庭ではありませんでしたが、教育熱心(?)な母親で有り難かったです。
小田原からですと、片道2時間以上かかるところを、泊まりがけで毎週通わせてもらっていました。
3歳になる頃には、ピアノ、作曲、声楽のレッスンも受け始めました。
(自分で作曲した曲を発表した日の写真。幼稚園時代)
2 小学・中学時代 習い事たくさん
小さい頃はわんぱくだったと思います。
いつも外で木登りや虫取りをしたり、新聞紙で作った剣で遊んだりしていて、日焼けして真っ黒でした。
友達と遊べない時も一人で公園に行き、ひたすら雲梯で遊んでいました(笑)。
習い事は、水泳、英会話、器械体操、バレエ、合唱・・・など、幼稚園の頃から沢山させてもらっていました。
特に小学生の頃に始めたそろばんは長く習っていて、三段まで取ったので、今でも暗算は得意です。
小学生の頃から、音大に行くことはなんとなく決まっていましたが、中学・高校の6年間は普通科の中高一貫校だったため、一般大学の受験を考えた時期もありました。
それでも音大に進むことを決意出来たのは、本当に「一音会」お教室の先生のお陰で、度々海外の先生のレッスンを受講する機会も頂きました。
(レッスン中)
3 高校生時代 多くの経験
高校時代には、クラシック音楽以外の活動も始めていて、バンドやソロアーティストの方のライブサポートや作曲、編曲、レコーディング……、バーのピアニスト役でのミュージックビデオ出演もありました。
色々なバンドでサポートをしていたので、人前で演奏する機会はとても多かったです。
ライブ当日に知らない曲のコード譜を8曲ほど渡されたり、ピアノを弾くだけの筈が直前にコーラスも頼まれて即興でハモりを歌ったりと、クラシックではなかなか無い経験も出来、精神的にも鍛えられました(笑)。
(高校生時代)
高校2年の時に管楽器の友人達と演奏した「ラプソディー・イン・ブルー」は、思い出深いです。学校行事の中で発表したのですが、2000人規模の大ホール(グリーンホール相模大野)で演奏でき、本当によい経験になりました。
彼女達とは有志演奏会 『題名の思いつかない音楽会』 (ふざけたタイトルで、本家から怒られてしまいそうですが) を開催したり、大学受験前には夜まで音楽室を独占(笑)して楽器の練習をしたりしていました。
普通科の学校の中で音楽をやっている友人が同期にいたことは、とても支えになっていました。
(グリーンホール相模大野 大ホール)
4 大学時代(現在)
桐朋は、とにかく先生方が素晴らしいです。
実技の先生はもちろんですが、講義もそれぞれの分野に知悉した先生ばかりで、とても面白いです。学生も含め、尊敬できる方たちの中で刺激をもらえる環境です。
また、調布キャンパスの地下には、コンクリート剥き出しの壁に教室の黒い扉が並んでいるのですが、受験前にオープンキャンパスで入った時に、そのスタイリッシュさに憧れました!
5 印象深いリサイタル・コンサート
これまで数々のコンサートをこなしてきた近藤さんに、特に印象深く記憶に残るコンサートをお聞きしました。
〇2017年9月 日暮里サニーホール・コンサートサロン
大学2年生。東京国際芸術協会様に機会をいただきました。
初めての「ソロ・リサイタル」で、全曲フランツ・リスト作曲の「オール・リスト・プログラム」を組みました。
当日は80名ほどのお客様がお集まり下さり、終演後に皆様にご挨拶をしている時間が本当に幸せでした。
これをきっかけに、他の会場の方からもお声掛けいただけるようになったので、とても大切な演奏会になりました。
(初ソロ・リサイタル)
〇2018年2月 赤坂「カーサ・クラシカ」
これは自分でも、なかなか稀代のプログラムだったと思います。
「オール・ロシア・プログラム」とし、相当マイナーなロシアの作曲家の作品も扱いました。
この演奏会では初めての試みとして、オーケストラ作品のピアノ編曲を行いました。
24の楽器の楽譜を同時に読みながらどの音を弾くかを決めるので、準備には本当に時間が掛かりました。
この演奏会は暗く激しい作品が多く、私らしいプログラムではあったのですが、あまりにもマニアックだったと思うので、今後はもう少し自分のスタイルとお客様が聴きたい曲のバランスを取りたいです。
(「カーサ・クラシカ」リハーサル時)
〇「サロン・プレイエル」
2018年6月にリサイタルを開催させていただいた「サロン・プレイエル」は、ピアノも会場の響きも素晴らしかったですが、選曲の段階から最も難渋したことで印象深いです(笑)。
ショパンが愛用したことで有名な「プレイエル」というピアノは、とても繊細なため、強い打鍵には向かず、指先のコントロールが特に必要な楽器でした。リハーサルの時間も多く取らせていただき、打鍵の強さも普段の数分の一程度に抑えて演奏しました。
(続く)
後編は、
https://ameblo.jp/tarsuke89-shiraito/entry-12399622160.html