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A.ジョリべ/セレナード〜オーボエ主奏を伴う木管五重奏のための A.Jolivet/SÉRÉNADE
東京ELEMENTS オーボエ:宮村和宏 Oboe:Kazuhiro MIYAMURA フルート:丸田悠太 Flute:Yuta MARUTA クラリネット:原浩介 Clarinet:Kosuke HARA ホルン:堀風翔 Horn:Fuka HORI ファゴット:福井弘康 Bassoon:Hiroyasu FUKUI
1mov. 0:00〜
2mov. 4:14〜
3mov. 8:50〜
4mov. 13:38〜
題名の示す通り主役はホルンではなく、オーボエですがアンサンブルの曲にも色々なタイプが存在しますので、様々な種類の楽曲を紹介しておくことがこのシリーズの目標の一つですのでご了承ください。
アンドレ・ジョリヴェ(André Jolivet, 1905年8月8日 - 1974年12月20日)は、フランスの作曲家で、音楽教育者です。様々な作曲技法を用い、豊富で豊かな和声と闊達なリズムが得意とされた手法で様々な音楽作品を生みだしました。この作品はどちらかと言えばラジカルな前衛音楽と言えます。
彼の生い立ちなどの簡単な紹介は以前の記事(下記)リノスノ歌にも書かれています。もともと絵画や音楽に対する造詣は深かったようですが、両親の勧めで師範学校に進みます。ソルボンヌを出てから一時期教師になっていますが、意を決してエドガー・ヴァレーズに師事します。
さて、「セレナード」は、「リノスの歌」の翌年に作られた作品ですが、いずれもパリ音楽院のコンクール用の楽曲です。私が知る限りでは、8曲以上のコンクール用作品があります。この2曲に限って言えばリズムの模倣やフレーズの繰り返しの中から生まれる響きの面白さや内面的な表現を模索しています。
ジョリベはソルボンヌでベルクソンの哲学に出会って芸術に関わることを決意します。ジョリベの考え方を知る一つの方法として、そのベルクソンの思想の一部を知ることが少し助けになるかも知れないので下記に記しておきます。
「時間と自由意志」この著作の中で、ベルクソンは、これまで「時間」と呼ばれてきたものは、空間的な認識を用いることで、本来分割できないはずのものを分節化することによって生じたものであると批判した。そして、ベルクソンは、空間的な認識である分割が不可能な意識の流れを「持続」("durée")と呼び、この考えに基づいて、人間の自由意志の問題について論じた。この「持続」は、時間/意識の考え方として人称的なものであり、哲学における「時間」の問題に一石を投じたものといえる。
また、彼は1931年の国際植民地博覧会、1933年の北アフリカへの旅行を通して、異国的・異教的音楽を体得していったことがその後の音楽に影響を与えます。無調性とモダニズム、或は呪術や儀礼、神秘主義などです。おそらくは、少なくとも10曲以上聴いてみないと、気持ちに落ちる、或は理解するという領域に踏み込めないかもしれません。旋法についての知識も必要です。
※ 以前の記事
ジョリヴェ : セレナーデ (オーボエ、ピアノ) ビヨドー出版 スコアー
CD/木管アンサンブルアンサンブルミクスト
「mixt note」
| アーティスト:アンサンブルミクスト 演奏:梶川真歩(フルート)、本多啓佑(オーボエ)、尾上昌弘(クラリネット)、嵯峨郁恵(ホルン)、中田小弥香(ファゴット) 《曲目》 A.ライヒャ/木管五重奏曲 ニ長調 op.91-3 N.ロータ/小さな音楽の捧げ物 W.A.モーツァルト/ディヴェルティメント 第14番 変ロ長調 KV270(木管五重奏編/アンサンブル・ミクスト編曲) A.ジョリヴェ/セレナード〜オーボエ主奏を伴う管楽五重奏のための〜 |
池田昭子クインテット (アーティスト, 演奏), & 11 その他 形式: CD
1.ビゼー/カルメン組曲(ワルター編)
2.イベール/木管五重奏のための3つの小品
3.フランセ/フルート、オーボエ、クラリネットとファゴットのための四重奏曲
4.ドビュッシー/小組曲(神田寛明編)
5.ジョリヴェ/セレナーデ
6.プーランク/ノヴェレッテ(エマーソン編)
池田昭子クインテット
池田昭子(オーボエ)(N響団員)
倉田 優 (フルート)(読響首席)
箱崎由衣(クラリネット)(セントラル愛知響団員)
河村幹子(ファゴット)(新日本フィル首席)
豊田 実加(ホルン)(神奈川フィル首席)
録音 2015年5月29・30日 神奈川・フィリアホール


