ホルンの出番です167  シューマン「夕べの歌」 | 翡翠の千夜千曲

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   Anneke Scott performs Ivan Shishov transcription of Robert Schumann's "Abendlied"

 

       

 Steven Isserlis, cello & Denes Varjon, piano - Schumann: Abendlied Op.85, No.12 (arr. Joachim)

 

       

      R. Schumann: Abendlied "Evening Song" Op. 85, No. 12 / Alexei Ogrintchouk

 

       

              Schumann: Abendlied, op.85 no.12

 

  今日はシューマンのアレンジ物ですがとても心に染み入る曲を聴きたいと思います。チェロやオーボエなどの編曲もありますので、アンコールピースや演奏会の終わりに演奏するとしっとりと終われると思います。シューマンのピアノ連弾曲集「小さな子供と大きな子供のための12のピアノ曲集(Klavierstücke für kleine und große Kinder)」Op.85の12曲中最後に収められている曲で「夕べの歌(Abendlied)です」。チェロ版はヨアヒム、ホルンはシショフ版が知られています。

  シューマンのピアノ曲には、傑作が多いと定評がありますが、彼の中には大人になっても童心を失いたくないという気持ちが色々な曲のタイトルから見え隠れします。

  演奏者のAnneke Scottさんが以下のようなことをコメントしています。直訳ですから、はしょってお読みください。

  私は本当にむしろこのホルンが好きで、これに何かを再生するためにしばらくの間探していました。私は実際にこの会社、Uhlmannによって2つの楽器を持っていますが、私が最終的に他の楽器に到達したときにわかるように、これらはかなり異なっています。この楽器は、ラウンドから1870年代まで活躍したレオポルド・ウールマンによるもので、私が疑うこの銀メッキ楽器は彼のキャリアの終わりに向かっています。レオポルド・ウールマンは、ウィーンのバルブの発明者として有名です - ダブルピストンバルブの一種 - しかし、この楽器は、曲がったロータリーホルンです。何らかの理由でこのホルンで遊ぶシューマンの作品を見つけたいと思っていました。ウールマンと他のメーカーは、1830年代以降にロータリーとウィーンのバルブ付き楽器の構築に成功していましたが、他では出来上がるのが遅かったです。1849年にシューマンは、バルブ付き楽器のための3つの作品を書く活動の衝動に駆られました。 - アダージョ・ウント・アレグロOp.70、コンツェルツリュックOp.86、そして翌年の4つの狩猟の歌Op. 137。シューマンは楽器の実用的な考慮事項をあまり気にしていないようで、これらの作品はすべて歴史的に楽器に関連する狩猟ホルンイディオムを利用していますが、シューマンはホルンの新しい音楽言語を確立し、特により遠いキーと拡張された低レジスタを使用しています。私が演奏することを決めた作品は1849年のもう一つの作品です - しかし、もともとこれはピアノソロ、12クラヴィエルシュテューク・フュル・クライン・ウント・グロース・キンダー、Op.85からのアベンドリードです。この作品は、多くの異なる楽器のために、多くの異なるミュージシャンによって書き起こされています。私はいくつかの19世紀のフランスのカタログでシューマンの「チャント・ド・ソワール」のリストに出くわしましたが、この転写(ここで見つけることができます)

  私の理解が正しければ、このタイプの楽器を想定してシューマンが作曲した作品群が、アダージョ・ウント・アレグロOp.70、コンツェルツリュックOp.86、そして翌年の4つの狩猟の歌Op. 137などだということでしょうか。

 

        

 

 

       

4手ピアノのための作品全集 ロベルト・プラーノ、パオラ・デル・ネグロ(2CD)
シューマン、ロベルト(1810-1856)