本日は前回の続きではなく、新しい話題をエントリーします。
先日、古くからの友人何名かと食事をしながらこんな会話がでました。

『あいつって ある意味 コストコみたいな奴だから』

凄い例え方ですが、分かる人にしか分からない例え方です。
この意味は癖の強い共通の知人を『彼を好きな人と嫌いな人がはっきり分かれる人』という意味で使ったのですが、分かる人には、すごく分かる比喩だと思います。

コストコとは、アメリカに本社のある、会員制ホールセラーという業態のお店の事で、全世界で500店舗を出店中 1兆6000億円を売り上げています。日本には1999年進出。今では9店舗を出しています。

このお店は他にない、いくつかの特徴を持っています。

①会員制なので年会費が必要 個人は4200円/年 法人は3675円/年
お客様から、買いもしないのにお金を取る何って と思われるかもしれませんが、元々のコンセプトはコストコが仕入れた商品には1円も乗せずに販売します。その代わり利益を会費として頂きます という事だそうです。

②巨大な倉庫状店舗で、徹底したローコストオペレーションによる店舗運営
商品の搬入、品出しはすべて、パレット単位で行っています。その為、最小限の人数で店を運営する事が可能になっています。レジは有人ですが、サッカーは当然自分で、もちろん買い物袋なんってありません。店内はアメリカのオペレーションマニュアルをそのまま運営されており、間違ってもブレてはいません。

③販売ロットが大きい商品のみを取り扱いしている。
例えば1Lの牛乳は3本セットが最小販売単位です。ケーキは1ホール単位(それもアメリカサイズ!)3Mのドーナッツ型メンディングテープは1ダース単位と卸売りを意識した単位と価格で売られています。

④扱い商品は、ローカル仕入と世界共通
仕入れは非常に明快で、1カテゴリー1アイテムが原則になっています。生鮮食品はほぼ国内仕入れ、加工食品は、鮮度管理の必要な物は国内、長期保存が可能なものは海外から。日用雑貨・衣類はほぼ海外。電化製品は大型物、日本規格がある物は国内、世界共通規格の物は海外と価格メリットを最大化するよう仕入れられています。

⑤商品とサービスに保障をつけている
商品自体は、商品とレシート持参であれば、返金に応じる。サービス自体に不満があれば会費をお返ししますと明記しています。(例外はパソコンだけで半年間と区切られています)

日本では、かつてダイエーがコウ’ズという同じコンセプトの店を作りましたが、豪快にこけてしまいました。国内には他にメトロというドイツのホールセールクラブがありますが、ここは完全に業者を対象にしている点が違います。
 元々アメリカでは、小規模な町の雑貨店(食品と日用品など細々した物を売る個人商店)が仕入れのために行くお店が、発展していったのが、今日のコストコです。

そもそも、なぜ コストコの話題が出たかと言うと、今後支持されるお店の条件 というテーマで議論していて”好き嫌いが分かれる店の方が生き残るのでは?”という仮説を検討していた時、真っ先に名前が出たのがコストコでした。

4人のメンバーのうち、コストコファンは僕を含めて2名、アンチ派は2名と完全に分かれました。

嫌いな理由として以下の点をあげていました。

①品数が少ない
同じカテゴリーの商品を比較できない(1カテゴリー1品番の為)
②単位が大きすぎる。
うちの妻のお気に入りはキッチンペーパーですが、1回買うと半年持っています。アメリカの家庭では、問題なくても日本だと厳しいかも
③店内が貧相
倉庫店と自ら名乗るだけあって、装飾は一切ありません。
④商品の質が嫌い
アメリカ基準の商品ですので、やたら大きかったり、安いけど仕上げがガサツだったりする物もあります。
⑤年会費が高すぎる
年会費を含んで計算すると、”他店圧倒価格”と言うほどには安くはありません。

支持派の僕は更に5つの点でコストコのファンです。

①国内で手に入りにくい海外のコモデティ商品が自転車で買いにいける。
②アメリカのスーパーその物に国内に居ながら行ける。
③時々とんでもない安い商品がある(WDの外付け160GB2.5”HDDが2980円!)
④大きいサイズの服が普通の値段で買える、しかも妙に丈夫
⑤フードコートのホットドックがアメリカサイズで安い ジュースは飲み放題で80円

要するに非日常を体感できる、買い物をさせてくれるのだから、少々の不都合は気にしないという人がファンになるのでしょう。

以前働いていた、外資系スーパーで、目玉商品だけが、馬鹿みたいに売れて、ついで買い商品がほとんど売れず”この国にはバーゲンハンターしか居ないのか!!”と絶叫していましたが、店自体に吸引力がないと、バーゲンハント位しか楽しさがないのかもしれません。少なくてもコストコには”トレジャーハント”の楽しみがあります。

アメリカでは、今、店舗の差別化というのが、かなり進んでいて、同じアバクロの店舗でもNYの店は中が真っ暗で、大音量の音楽が流れ、ほとんどクラブ状態だそうです。

これからは、100人の商圏で100人を来店させるよりも、10人に10回来店して頂くという時代になりつつあるという結論でした。

因みに ”コストコのようなあの人”は悪い意味ではなくいい意味で使っています。

次回はこれからのビジネスについて考えてみます。(多分 タイトルも変えるかも)では

Twitter「つぶやく」ボタン