2日間の一時帰宅を終えて病院に帰る日の朝、“自分の病状とコレから始まる本当の治療” について知っているケー君は不安な顔をしていました。
 

でも一時帰宅中、一度も”愚痴や弱音を吐いていない” 我が子の精神力に感心しました。大好きな妹を小学校に見送った後、車で1時間ほどかけて病院へ戻り、いよいよ脳腫瘍との本格的な闘いが始まります。

 

ちなみにケー君の入院する小児病棟は、親だけ24時間の付き添いが許されているため、この入院期間中は父親の私が付き添うことになりました。

 

 

 命を繋ぐPICCに複雑な気持ち

PICCについて

 

抗がん剤 には色々種類がありますが、今回投薬する 抗がん剤 は ”静脈から投薬” するため、腕からカテーテルを入れて、心臓近くの静脈(中心静脈)にカテーテルの先端を留置します。

 

いわゆる ”PICC” と呼ばれる処置を行います。

 

PICCの処置自体は、短時間で終わる患者への負担が少ないモノなので、大人であれば局所麻酔だけでする場合もあるようですが、ケー君は小児科ということで眠剤で眠らせてから処置してもらいました。

 

時間にして1時間程度で処置が終わって、病室に戻ってきたケー君の腕には確かにカテーテルが繋がっていました。

 

今後ケー君の命を左右する大事なPICCですが・・・我が子の身体に心臓近くまで異物が入れられているのは、治療のためとは言え何とも複雑な気持ちです。

 

 

  投薬の前日 眠れない夜・・・

PICCの処置が終わって、いよいよ明日から抗がん剤の投薬が始まるワケですが、留置したばかりのPICCを使って、前日の晩から大量の輸液が開始されます。

 

    

抗がん剤は劇薬なので、体内に留めないように、輸液で強制的に水分を摂取させて、体外への排出を促するためだそうです。

 

 

PICCを留置されるのも初めてですが、寝てる間も点滴されるので、寝返りで点滴のラインが絡まないか冷や冷やしました。

 

案の定、夜中に何度も点滴内に空気が入ってしまい、輸液ポンプ(点滴の機械)から警告音が鳴るし、大量の輸液で頻繁にトイレに行くわでケー君も私も全く眠ることがが出来ませんでした。

 

 いよいよ始まる脳腫瘍との闘い

お互い寝不足の状態で迎えた投薬初日、予定では午前11時から吐き気止めを投薬して、その後に3時間かけて2種類の抗がん剤を投薬します。

 

投薬前には、改めて薬剤師さんがスケジュールや起こりうる副作用を説明しに来てくれました。

 

吐き気や脱毛など、沢山の辛い副作用に・・・”脳腫瘍との闘いなのか副作用との闘いなのか判らなくなる”くらいでした。

 

ちなみにケー君が最後まで悩んだ精子保存ですが、精子の状態やスケジュールなど、抗がん剤の投薬直前に行うというハードスケジュールでした。

 

それでも辛い治療が、ケー君の脳腫瘍を治してくれると願うしかありません。