2024年08月05日(月)
パリ五輪開会式の一部の演出について、ローマ教皇庁から不快感を示されたそうです。
女装したダンサーらが並んだ様子が、キリストと弟子を描いたレオナルド・ダビンチの「最後の晩餐」の構図に似ていたことから、キリスト教を揶揄していると批判があがっていました。
『悲しむ声に同調せざるをえない』とか『表現の自由は、他者への敬意を書いてならない』とか、他者を批判する声明として実に上手い文章だなと唸った。
怒りをか弱き被害者的イメージを感じさせる「悲しい」という言葉に置き換えて相手に自責の念を抱かせ、「他者への敬意」という黄金の言葉で締める。
見習いたい。
あの絵的にとても美しかった開会式の演出はこの方が務めたのね。
トマ・ジョリー氏は1982年生まれの41歳で若くして才能を開花させ、フランス演劇界の頂点であるモリエール賞を受賞した実力者なのだそうです。
「最後の晩餐から着想を得たのではなく(ギリシャ神話の)オリンポス山の神々に関連する異教徒の祝祭がアイデアにあった」と説明されているとか。
ジョリー氏は自らのセクシャリティーをオープンにしていて、ネット上で殺害予告まで受けたそうです。
(あのLGBTQを全面に押し出した演出は、自らの主張でもあったのね。)
私は開会式をとても楽しませていただいたので、演出家の美的感覚を心から賞賛するけど、以前のブログにも書いたけど、「最後の晩餐」ではなくて、「涅槃図」をイメージさせる構図でこういった演出をされたら、「仏教バカにしてんのかっ!?」という戦闘的な感情が沸き起こりそうなので、やっぱり宗教絡みや、それを連想させる演出はやめておいた方が良いと思いました。