2018年03月28日(水) 晴
今日は午前中、休暇を取って映画『「空海−KU-KAI− 美しき王妃の謎」』を見てきました。
六本木ヒルズのTOHO CINEMAS。
インターナショナル版(中国語音声/日本語字幕版)の上映されているし、今日はレディースデーで料金1,100円。
夢枕獏の原作『沙門空海唐の都で鬼と宴す』はまだ巻ノ二すら読み終えてないけど、上映が終わらないうちにと見に来ました。
見終えての感想は、この映画って、原作を読んでなかったらまったく意味が分からなくない!?って感じ。
全四巻の長編を2時間15分でまとめるのだから、物語をスポット的に描いているのは分かるけど、空海と白楽天と阿倍仲麻呂と楊貴妃と化け猫と道士の弟子との関係性が多少、原作を読んでいてもつかみきれない。
映像はキレイではあるけど、人口光の照明の下、無機的で、印象が脳に刻まれない。
チェン・カイコー監督はCGと本物のセットでは空気感が違うと、莫大な費用をかけて、基礎工事まで施してオープンセットを組んだらしいけど、その映像からは、実在的な空気感ではなく、果てしなくCG感が漂っていたというのは、なんとも皮肉。
ファンタジーだからリアリティーは必要ないってことですかね。(じゃ、CGで良くね?ってことになっちゃうし・・・)
中国語タイトルは「妖猫伝」で、空海よりも黒猫が主役という感じの映画でしたが、黒猫のCGは素晴らしかかった。
動き、表情までまさに主役の演技。
特に黒猫が朽ちる前の、艶を失い、ややカールした毛並と小さくなった体はすごくリアリティーがあった。
空海を演じた染谷さんは中国語を猛特訓したらしいけど、中国人俳優であっても標準的な北京語でなければ吹替を使うお国柄。
インターナショナル版でも、染谷さんの中国語は吹替でした。
染谷さんと声色がそっくりな吹替キャストを使ったそうで、なぜにわざわざ?と思っていたら、染谷さんの日本語の台詞は(ほとんどないけど)染谷さんの地声なので、違和感がないようにとの配慮だったんですね。
染谷さんの空海は原作のイメージととても合っていたと思いました。
150億もの巨費を投じて、やたら美しい映像の映画でしたが、あまり印象に残らない映画でした。
さ、小説の残りを読もう・・・。