打合せ帰りの電車内。
座席に並んで座る、小さな可愛い女の子と、お母さんがいました。
好奇心いっぱいなお年頃らしく、膝立座りで窓に張り付き。
目に付くものや気になったものを、お母さんへ矢継ぎ早に質問。
「あれ、なぁに?」「なんで◯◯なの?」「どうして?」
その一つ一つに向き合い、優しく丁寧に応え続けるお母さん。
わからない事や答えにくいものには、
「何でだろうねぇ。お家に帰ったら、一緒に調べてみようか?」
と返していました。
微笑ましい母娘のやり取りに、ほっこり空気が漂う車内。
そういえば母も、幼かった私の「なんで?どうして?」攻撃に、
根気良く付き合ってくれて、本で一緒に調べたりする事もあったなぁと、
懐かしく思い返しました。
生きて行く上で欠かせない、「しる」という行為。
漢字で書き分けると、2つあります。
「知る」と「識る」。
前者「知る」は、知識や新しい情報を得る事。
後者「識る」は、新しい情報を自分の中で分析・整理して、理解する事。
(柳 宗悦(やなぎ むねよし)氏の言葉より引用。)
ありとあらゆる情報が飛び交う現代、「知る」はそれこそ毎日、
意識せずとも行われていますが。
反して「識る」は、自分に必要な情報を取捨選択し、
意識して理解を深める必要があります。
介護にしても、お見送りにしても、相続にしても。
「しる」が求められる事柄は、たくさん有ります。
まずは情報収集で「知り」、各事情や状況に合ったものを選んで「識る」。
その繰り返しを、介護スタート前に始められているかどうかが、
後々に影響して行くのは確かですね。
先行きが明るく楽しい傾向にある、結婚・出産・育児・教育に関しての
「知る・識る」は役立つ情報量が多く、取り組み姿勢も積極的ですけど。
先行きが暗く哀しい傾向にある、介護・お見送り・相続に関しての
「知る・識る」は情報量がまだ少なく、取り組み姿勢も消極的な様です。
出来る事なら考えたくない、向き合いたくない分野でしょうから、
致し方無いのかなとも思いますけど
いざという時の【転ばぬ先の杖】ともなる、「知る」と「識る」。
早め早めに意識して、備えておく事をオススメします。