インナーチャイルドセラピーを受けて、本当に自分のインナーチャイルドを発見した。
しかも、何人も、違う年齢で。
それは割と驚愕の体験だった。。。

わたしが子供の頃に押し込めた感情を持った傷ついたままの小さいわたしが、ワラワラ自分の意識に現れた。
フルカラー、もちろん喋って動く。
心霊現象とかそういう話ではなくて、目を閉じたままで、そのイメージが鮮明に見えるのだ。
もちろん、プロのカウンセラーの誘導があったからこそ、自分の内面に入りやすかったのだけれど。

汚い地下の居酒屋で、ガヤガヤと飲んでいる大人のテーブルに混じって、一人ぼっちのテーブルに座って、塗り絵をしていた。
何て言ってる?とカウンセラーに聞かれて、そのミニわたしに聞いてみると、
「誰もお話聞いてくれない。もっとみんなとお話したいのに、つまんない」
と言いながら、顔もあげずにクレヨンで塗り絵を続けた。

そうだ、わたしは塗り絵好きだった。そしてその居酒屋も、実在の場所だった。
4-5歳くらいの記憶だから、そんな場所があったことすらすっかり忘れていて、今まで記憶の端にも上らなかった。
驚いたけれど、あぁ、これだったのだと確信もした。

わたしは飲みすぎて、顕在意識がなくなると、この子供人格が勝手に暴走することが何度もあったからだ。
わたしが全く覚えていないこともあったし、覚えている場合でも、自分じゃない誰かが勝手に喋っていて、コントロールすることが出来ないのだ。

親の愛情が足りていないかったから、意識が飛んだ時に、子供がえりするのかと思っていたのだが、違った。
ずっとその子は、傷ついたままの淋しい感情を抱えたまま、そこで待っていたのだ。誰かがやって来て、話しかけてくれるのを。自分に心を向けてくれる誰かが来るのを。

心底びっくりした。そして、申し訳ない気持ちで一杯になった。
わたしは、初めて、自分の本当の気持ちをずっと蔑ろにしてきたことにも気づいた。
ごめんね、もう大丈夫だよ、つらかったね。
迎えに来るのが遅くなってごめんねと言葉をかけて、イメージで全く別の素敵な部屋に移動させる。

出て来たチャイルドをイメージで安全な場所に避難をさせていくと、どんどん増え続けて、一時期は7-8人までになり、ちょっとした保育園のようになって困惑したが、今はもうみんな居ない。
わたし自身が、自分のチャイルドの声にきちんと向き合ったことで、それぞれが抱えていた想いを昇華して、巣立って行った。
自分の中に、統合されたような気もする。

その後、どんなに飲んで酔っ払っても、以前の子供人格は出てこなくなった。

わたしの母親は、酔って帰ってきては、寝ているわたしを叩き起こし、全く理由なく暴言を吐き、蹴ったり、殴りかかってきたり、包丁を向けて殺すと言ったり、部屋に火をつけようとしたり、ベルトのバックルで叩いたり、ビール瓶を中身が入ったまま投げつけたり、ありとあらゆる罵詈雑言を浴びせててきた。友達の前でビンタされて、意味なく暴言を吐かれたこともあるし、仲の良い友達のお母さんの経営するスナックで常連客に絡み、出入り禁止になったりもしていて、死ぬほど恥ずかしくて消えてなくなりなかった。

そんな母親と同じようになるのが怖くてたまらなかった。
どうしてわたしは、綺麗に飲めないのか、本当に悩んだ。
というより、普通それだけ酒にまつわる嫌な思い出があれば、飲まないだろう。
何故それでも自己嫌悪にまみれてまで、飲むのだろう?何か変だ。絶対におかしい。
このままでは、母親のようになってしまうかもしれない。どうもわたしのお酒の飲み方の問題は、母親との関係に起因しているような気がする。
突然そう閃いた。

こうしてセラピーに繋がった。
今もしも、何かの依存症や、自分で制御できない行動がある人がいたら、ぜひ勇気を出してアダルトチルドレン専用セラピーを受けてみてほしい。
絶対に自分では普段は意識できない、小さい頃に押さえ込んだ気持ちを持ったチャイルド達をたくさん押し込めている筈だ。

セラピーでは、この他にも、タッピングやゲシュタルト療法を併用して、どんどん自分の心の声に気づくことができた。
ノートに母親にされたこと、言われたことを吐き出すのも効果的だった。

何かに対する行動や、やり方を変えるのではなく、ちゃんとできないのが悪いのと自分を責めるでもなくて、小さい頃の自分が無理に押さえ込んだ、行き場のない辛い気持ちに目を向けて、気づいてあげるだけで、本当に世界が変わるような、生まれ直したような気持ちを体験できる。

虐待サバイバーは、無理矢理に理想の自分に変わろうと苦しむのではなくて、本当の自分の悲しみや寂しさ、苦しい声に気づけということだったのだ。
気づけばいつからでも、立ち上がれる。やり直せる。毒親と関係なく幸せになれる。