患者のAさんが

「私の分までピアノやったらいいじゃない!」

自分の代わりにピアノを弾くように

言ってくれたが

心身壊した私は

ずっとできずにいた

 

自分では気がついていなかったが

当時

自分のエネルギーの9割を仕事に注いでいたようで

家に帰ればピアノをする余力は残っていなかった

 

オンラインの英会話もやっていたしね

1割の力は英語に当てたのかもしれない

その英語も辞めてしまった

 

家族にもエネルギーを注げてなかった

 

プロフィールを読みかえすと

全力を尽くすことが好き

書いていた

 

うわっ

 

この力加減を出し惜しみすると

私は罪悪感を抱くのだ

きっかけは

思い出せない

 

何かズルをしているような

そんな気になる

 

今日はいつもより早く帰れたから

部屋に鎮座した電子ピアノに触れ

ラ・カンパネラ

弾いてみた

 

ご存知の方もいると思うが

ラ・カンパネラ

出だしは

レ#

しか使わない

 

楽譜1ページ分を

かなりゆっくり弾いてみた

なかなか楽しいもんだ

 

特に患者さんからの助言は

大事にしている

 

「定年したらゆっくり家族と旅行して

楽しもうと思っていた。定年になった途端、

がん治療がはじまった。

楽しみは後回しにしちゃだめだよ」

 

「停電になったことを想定して

あんまり高層階に住んじゃダメ。

若くはないお母さんが

階段でも外に行けるようにね」

 

「軽自動車に乗るならエンジンの性能から

ホンダがいいよ」

 

「大型家電を買うなら町の電気屋にしな。

皆が知っているチェーン店とは違う品なんだ。

買った後のメンテナンスも請け負うし。

町の電気屋に越したことはない」

 

 

「uraraちゃんは最近太ってきて羨ましい。

私にそのお腹の肉が欲しい。

この体型、フラダンスにピッタリよ」

 

とか

沢山の助言がある

書ききれない

 

助言を実行できたことと

まだできていないことがある

 

もちろん

助言の中には

自分がやりたくてもできなかったことを

表現していることもある

 

でもね

私に何らかの示唆を与えている

と思うので

大事にしたい

 

Aさんの

「私の分までピアノやったらいいじゃない!」

数年かかってやっと今日実行できた

 

自分の人生だもの

 

いざと言う時に

自分も他者にも

しっかりエネルギーを注げるように

 

全てに全力は尽くさない

エネルギーを傾けたい大切な人に

エネルギーを傾けたい事に

とっておく

 

Aさんを思い出しながら

そんなことを考えた

 

お付き合いする人

趣味とかは

厳選し大事にする

 

私が皺皺のおばあちゃんになったとき

ラ・カンパネラを

ゆっくりでも弾けたら

かっこいい婆ちゃんだな

 

ラ・カンパネラ

最後まで弾ける日は来るのかな

・・・