お子と散歩にいく公園。
蝉時雨の森を歩くと、セミの脱け殻より、セミの亡き骸が目につくようになってきた。
先日、その一つを走っているとき、お子が蹴飛ばす。
動かぬセミを見て、お子は少し驚き、戸惑い、立ち止まった。


あのね。
あなたが蹴飛ばしたセミは、あなたが蹴飛ばす前からずっとねんねになってて。
あなたが蹴飛ばしたから、動かなくなったわけじゃないのよ。
だから、あのセミが動かなくなったのは、あなたのせいじゃないから、それは大丈夫。
ただ、動かなきゃ何してもいいわけじゃないのね。
もし、蹴っ飛ばして悪かったなぁと思ってるなら、ごめんなさいはしようか。


…ごめんしゃい。

生き物への慈しみのまなざしが育ちつつあるのかもしれないと感じた瞬間。