現在上映中の映画、『海難1890』。日本とトルコの友好125周年を記念して、日本・トルコ共同で作られた映画です。トルコは大変な親日国ですが、その背景にあるのが、この映画のテーマである、「エルトゥールル号事件」です。

1890年、トルコ海軍のエルトゥールル号が、和歌山県串本町の沖合で遭難しました。その際、住民による遭難者への献身的な救助活動が行なわれ、そのことを切っ掛けに、両国民の間に強い友情の絆が生まれたのです。

トルコは、この恩義を忘れることはありませんでした。

1985年のイラン・イラク戦争の際、200名ほどの日本人がイラクに取り残され、困っていた時のこと。邦人救出のために、トルコ政府は特別機を派遣してくれたのです。後日、トルコが日本人を救出した理由として駐日トルコ大使は「エルトゥールル号の借りを返しただけです」とコメントしました。

最近のトルコ国内での調査では、エルトゥールル号事件については約7割、イラン・イラク戦争の救出劇は半数以上の人が「知っている」と答えています。ネジャッティ元駐日トルコ大使は、「エルトゥールル号事件は、トルコの歴史教科書にも掲載され、私も幼いころに学校で学んだ。子供でさえ知らない者はほとんどいないほど歴史上重要な出来事だ」と述べています。

情けは人のためならず”、人種・洋の東西を問わず、人と人との絆の大切さを感じます。


(写真の出典:Wikipedia)