海舟は、貧乏な家柄でしたが、海防に関する知識を見込まれ、幕府海軍の第一人者となります。

その頃、坂本龍馬が海舟の元を訪れます。開国論者である海舟を斬るためです(当時、龍馬は鎖国論者でした)。しかし、海舟が世界情勢や海軍の重要性を龍馬に説くと、なんとその場で龍馬が弟子入りを志願したのです。それだけ海舟の言葉には説得力がありました。

海舟は42歳で海軍奉行に出世しますが、その頃出会ったのが西郷隆盛です。海舟は、西郷に対して「もう幕府には人材がいない。そこで雄藩で運営してもらいたい。そして強い日本を作らねば」と言ったそうです。西郷は驚くと同時に、海舟を高く評価しました。その後、戊辰戦争が始まりますが、海舟と西郷の会談で江戸城の無血開城が実現し、維新が成就することになります。

維新成就の裏には、幕府役人である海舟の高い先見性があったのです。自分の立場にこだわらず、真に日本のために行動する。私も政治家として、海舟のようにありたいと思います。


(写真の出典:Wikipedia)