(現代語訳:心の中に目標がきちんと定まっていれば 自然と気力も充溢して成就に向け全力で立ち向かえるものだ)

 「志定まれば、気さかんなり」有名な名言ですが、実は松陰先生が弟子達にあてた言葉の一つでありました(松陰先生が傾倒していた『孟子』の「志は気の帥(すい)なり」の影響を受けているようです)。

 松陰先生は 、脱藩してでも東北への旅を強行し、ペリー来航の際にはその船でアメリカへの密航の企てを実行し、最後は安政の大獄で刑死することになりましたが、その30年弱の生涯は、まさにこの言葉のとおりであったと思います。

 明治維新の中心となる多くの人物を育てた松陰先生ですが、実際に彼らと接したのは、実はほんの2年余りでした。短期間で志士達に影響を与えられたのは、まさに先生自身が、維新を実現するという「志」がさだまって、「気さかん」に行動していたからに他ならないのです。

 私自身、今も落選の身であり、くじけそうになる時もあります。そんな時は、この名言を思い出し、志、原点を再確認して自分を奮い立たせています。

(写真の出典:Wikipedia)