東京オリンピックも決まり、世界の中での日本という意識が徐々に高まると思いますが、そんなときに思い出したいのが、工藤俊作艦長です。
昭和17年、英国海軍の駆逐艦がジャワ島スラバヤ沖で沈没し、400名の英兵が漂流していました。1日が経ち、絶望していた英兵の前に、敵国日本の軍艦「雷」が現れます。その艦長が、工藤俊作でした。
 艦からは、必死に救助を求める英兵の姿が見えました。しかしスラバヤ沖海域はまだ攻撃される可能性がありました。また、小さい軍艦である「雷」に400名もの英兵を引き上げることにより、艦内で暴動を起こされる危険性もありました。
 しかし工藤艦長が下した決断は「敵兵を救助せよ!」甲板から縄梯子を垂らし、さらには友軍の救助でさえ使用禁止されている大型階段をも降ろし、日本兵の大半を救助活動に向かわせました。そして、英兵達に対し「名誉あるゲスト」と迎え入れたのです。
 この一件は後の日英友好にも大変寄与しました。2003年には、当時現場で救われたフォール元少尉が、工藤艦長にお礼をと来日し、墓前での再会を果たしたのです。
我が国には、このような武士道に溢れ、世界に誇れる話が多数存在します。しかし、これらの話を日本人があまりにも知らないという状況は残念で仕方ありません。今こそ世界にも誇れる日本の歴史を学び返すことが大切ですね。

(『いどばた稲毛』・10月号掲載)


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(画像:Wikipedia掲載の写真を加工・編集)