平成24年第3回定例会 一般質問を10月2日(火)に行いました。

議会質問の原稿を、掲載します。

例によって、原稿ですので、実際の質疑とは異なります。ご容赦下さい。

実際の質疑の様子は、以下動画でご確認下さい。
http://gikaimovie.city.chiba.jp/12_3/1002_01.html

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無所属、改め、日本維新の会 千葉市議会議員団の、田沼隆志です。
思わぬ展開で、会派誕生となりました。

私自身は元から「千葉維新会」であり、政策もほとんど日本維新の会と同じでしたので、スタンスは特に変わることなく、これまで通り頑張っていきたいと思います。

日本維新の会では「維新八策」を綱領として策定中ですが、その理念を元に千葉市政改革を目指す、千葉市版維新八策、略して「千葉八策」を、我々も提案して参りたいと思います。

今までの政治は、民主党政権をみても明らかのように、理念もない、政策もない、あるのは政局のみ、でしたが、国難のいまこそ、政策を軸に政界が再編され、真に国を救える政策とは何なのかをとことん議論することを期待して、あくまで政策第一でいきたいと思います。賛同下さる方を募りたく思います。


長らくそのままにされ制度疲労をきたしている統治機構、教育委員会制度の無責任体質、聖域とされ増大の止まらぬ社会保障、20年間成長しないまま規制ばかりの経済政策、国の根幹である憲法も戦後まともな改正論議がされてこなかった、

こういった長年の課題に正面から逃げずに勝負するのが、日本維新の会です。


それでは通告に従い一般質問を行います。



1,いじめ対策について



既にこれまで多くの方から、質問が出ました。教育長の「いじめは絶対許さない!」には大いに期待したいです。
しかし答弁はどうにも曖昧な印象です。正直、現状に対する危機感は薄い、と感じざるを得ません。
お尋ねします。


【問】本市のいじめの件数は643件とのことだが、これは多いのか、少ないのか?
【A】多い少ないではなく、一人ひとり対応


千人あたり8.2件ということは、全国平均5件の、1.64倍ですね。かなり多い。
多いことが悪いと言ってはいません。認知が多い方が、危機感を持って現場がみてるのかもしれません。そういう実態、数字の解釈がわからないので、質問したのですが、違う趣旨の答弁となってしまいました。再質問はしませんが、きちんと数字の意味を、対外的にも伝えられるようにして下さい。定義が曖昧だと逃げ道になりますので。

スライドをご覧ください。

$千葉から、日本維新! ~千葉市議会議員・田沼隆志の挑戦

今回の質問で私が最も訴えたいのは、とにかく、加害者への処置が甘い! 昨日酒井議員も言ってましたが「加害側が100%悪い」ということをきちんと伝え、毅然とした処置が必要です。精神論ではダメです。

そこでご紹介したいのは「ゼロトレランス教育」です。

$千葉から、日本維新! ~千葉市議会議員・田沼隆志の挑戦

これはアメリカで1990年代に始まったもので、これまで寛容さの名のもとに善悪の価値判断を曖昧にしてきたのをやめ、いじめや喫煙、暴力など、悪質な行為をした生徒に対し速やかに例外なく罰を与えるものです。No Excuses! 言い訳無用!ですね。
出席停止、改善が見られない場合はオルタナティブスクールという、問題児を集める教育施設へ転校させ、反省するまで元のクラスには戻さない、最悪の場合は退学処分を科す、というものです。
その結果、グラフの通り、暴力事件が劇的に減ったという結果も出ています。

さて本市での出席停止は過去ゼロ。日本全国でも過去5年間にいじめを理由にした出席停止は11件とのこと。これはあまりに、甘い対応ではないでしょうか?
近年、他自治体では、この出席停止を推奨する動きが出てきています。品川区では積極運用を決めたとのこと。大阪府教育委員長の陰山英男氏は「適用ためらうな」と発信。宮城県教委でも早期いじめ対応マニュアルで出席停止の推奨に踏み込んだ。新聞各紙も同様の論調です。こういった動向を踏まえて、


【問】本市でも出席停止を積極運用するべきと考えるが、どうか?
【A】慎重、国参考


やはり危機感が薄い答弁に聞こえます… 結局これまで通り、ということですね。
出席停止となる児童生徒の心配より、周りの生徒の心配が第一では? 「慎重」という名で、事なかれ主義であると、生徒や保護者からの信頼を失いかねません。
関連してお尋ねします。今はいじめの被害者が余儀なく転校させられることが多いが、むしろ加害者こそが転校させられるべきです。


【問】いじめの加害者となった児童・生徒を転校させる権限を、学校に与えるという対策への、見解は?
【A】教育的指導徹底


「警察に連携を求めるなど厳しい対応が必要」と言いつつ、これまで全く求めていないですよね。言行不一致では? あと、私は転校権への是非をお尋ねしたんですが、また直接の答弁がありませんね…

重ねてお尋ねします。滋賀県大津では、教育委員会の対応にも批判が集まった。豊島区では「教育委員の顔が見えない」との批判に対して、いじめ問題の対応策を記者会見で報告していました。大阪市の矢野委員長も大阪市内の全児童生徒に、「あなたの命、仲間の命を大切に」と訴える異例のメッセージを発信したとのこと。
本市では教育委員会会議で、いじめ対策について議論されているとのことだが、記者会見もなく、メッセージもない。最高責任者として、ぜひそういう発信をやるべきと思う。


【問】これまでに教育委員会として、対策の記者会見などをやったことはあるか?教育長以下事務局のみの件は除いてお答え下さい。
【A】なし 適切な者が対応


「適切な者」といっても、教育長以外会見したことがありませんよね。つまり教育委員は適切ではない、ということですか。まさに大津と同じではないでしょうか? 千葉でも同様の事件が起こったら、同様のケースとなり批判が集まる気がしてなりません。今のうちに、教育委員会のあり方を見直すべきです。

市長は先日、みんなの党代表質疑で「教育委員会必置義務の見直し」まで踏み込んでの答弁をされました。私も非常に嬉しかった。教育委員会のあり方見直し、これは委員会自体では限界がありますから、市長部局からの働きかけを、ぜひともお願いします。

ついでながら、教育委員さんの同意人事における情報量の少なさについて、改善を約束下さった藤代副市長、ならびに先輩同僚議員の皆様に、感謝申し上げます。



さて今回の質問にあたり、何件かいじめられた体験談を聞きました。スライドご覧下さい。

$千葉から、日本維新! ~千葉市議会議員・田沼隆志の挑戦

ある女の子は3年生のとき、いじめのストレスから全頭脱毛となり、髪が全て抜けてしまいました。その親子は担任に相談した。担任ははじめ、加害児童やその保護者に注意をしてくれた。しかしいじめはとまらず。頑張って女の子はかつらで通学しましたが「かつら頭」といじめはずっと続き、とうとう眉毛・まつ毛も抜けてしまいました。

$千葉から、日本維新! ~千葉市議会議員・田沼隆志の挑戦

すがる思いで担任に相談したところ「子供や家庭に原因」と言われ、むしろこちらが責められた。具体策は全くなし。校長先生とも相談したが「お子さんに問題」「カウンセリングを受けて下さい」結局学校は見て見ぬふり。教育センターにも、市教委にも相談に行ったが、何も進まなかった。「いじめに対する認識や対応が甘く指導力の薄いこの担任には、今後安心して娘を預けることはできない」という結論でした。結局いじめは4年生まで続いたそうです。

このときの子供や保護者の方の、どこにも頼るすべがない気持ちをおもうと、胸が締め付けられます。いじめの存在を認めない学校。対処策ゼロの学校は、本当に罪が重いと、言わざるを得ません。

なぜこういうことが起こるか。私は、問題発見者と、その責任を追及される者が、両方とも担任の先生である、という構造ゆえと考えます。どうしても見て見ぬふりする動機が残ってしまう。事実多くの悲惨な事例では、学校側は「いじめと思わなかった」と後から反省している。後からじゃ遅いんです!先に紹介した例では幸いにしてクラス替えで納まったそうですが、対策が遅くなることで、取り返しのつかないことが起こるし、起こってきた。大津もそうでした。この構造を直すための、抜本対策が必要です。

そこで提案ですが、いじめの認知を、第3者機関などに、外部化するべきではないでしょうか。これが今日私が提案したい第2の改革案です。和歌山県では知事と教育長がいじめを受けた子どもから直接メールで相談を受け付けたり、大阪市では「区長直通のいじめ電話相談」や「学校協議会にいじめの当事者からの意見聴取権を与える」など、新たな取組みが始まっています。そこでお尋ねします。


【問】本市においても、いじめの認知の外部化について、検討すべきではないか?
【A】国を注視 検討


市長に聞いた方がよかったかもしれませんね。国の取組みには期待しますが、肝は、いじめ「認知の外部化」です。支援チームを活用できても、いじめ認知がされないのでは、意味がありません。そこの部分の外部化を、ぜひお忘れなきよう、お願いします。


【問】関連して「新任ですから(いじめ発生も)大目に見て下さい」とある管理職は言ったと聞く。これは許されるのか?
【A】許されない


当然ですよね。この発言は真実なら、まさに甘え体質の象徴。プロにこんなことはあり得ない。


【問】では、新任のクラスと他クラスでの、いじめ発生率の違いは? 教師別、学校別の発生率分析はしているか?
【A】把握してない


これは、やればできるのでは?!少なくとも学校別はすぐできるはず。やる気があるかないか、だけです。全く理解できません。


【問】最後に、いじめの未解決を、担任教師の人事評価の指標に一部でも組みこむことには、どう考えるか?特にいじめの認知を外部化すれば隠ぺいにもつながらず、有効では?
【A】目標申告制度


目標申告制度でやっているのは知っています。それでも、一部でも、指標に入れるという、組織全体で本気であることを示していくべきでは、と提案したのです。

目標申告制度は、本人のやる気アップにつながりやすいが、そんなことより「いじめを許さない」方が重要では?本気で組織を動かすなら、人事や予算を変えなければならないのは、組織経営の基本です。


いろいろ質疑しましたが、総じて非常に残念、前例踏襲のままだと感じました。

教育長は「いじめは絶対許さない!」と言われました。「絶対」という言葉は、他の何を差し置いても許さない、という意味ですから、これまでにない新しい具体策を期待し、また私も提案したのです。

しかし現在の取組みは、これまでのものを踏襲するのみにしか聞こえません。危機認識が弱過ぎる!「絶対許さない」の言葉通りの、中身を伴った、いじめ対策を検討頂けますよう、その素材はいくつか提案しましたので、ご検討くださるよう要望します。


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1.いじめ対策について
2.学校現場改革について
3.幹部職員の人事について
4.財政情報について