直せなかったWM-D6C | じんけいの修理日記

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趣味とボケ防止を兼ねて古いラジオの修理を楽しんでおります。https://jinkei.sakura.ne.jp/

ご指摘症状が

 

「発売当初(1985年頃)に購入して、しばらく放置していましたが 半年ほど前に再生ができていたウォークマンプロWM-D6Cで再生できなくなりました」

 

ということだったのでこれならベルト交換で直るだろうと引き受けたのですが、、、、

確かにベルトの交換は必要でした。

 

 

 

 

 

ソニーサービスで90年1月に修理しています。

 

 

内部の様子です。

 

 

 

 

 

ゴムベルトを交換するために基板を外しました。確かにゴムベルトは伸びています。

 

 

 

 

取り外したゴムベルトです。交換後、一部クリーニングも行い、メカ的な動作はするようになりました。

 

 

 

この後、再生確認、録音確認をしているとどうも再生音に歪が加わってくるような感じです。ラインアウト、ヘッドホンともにです。

 

オシロでラインアンプ、ヘッドホンアンプ、ミューティング回路とチェックをしてゆくと、ミューティング回路がうまく解除されないことがわかりました。中途半端にミュートがかかるので歪っぽくなっていたのです。そのひずみがだんだん増加してきます。

 

原因はミュート回路に使われているハイブリッドIC(CP-301)の劣化です。以前修理したD6Cの中にもこのICが劣化しているものがあり、その時にはジャンクのD6Cから抜き取って修理しましたが、今回は持ち合わせがありません。

 

回路図で示すと下記の色をつけたICです。

 

 

 

 

 

実物の写真は下記の矢印で示す黒い物体です。

 

 

 

このICは劣化しやすいのか、後期のWM-D6CはハイブリッドICの代わりにディスクリート部品で置き換えています。下の回路の色を付けた部分が該当します。

 

 

 

というわけで、空きスペースがあればチップトランジスタとチップ抵抗で代替回路が作れるのですが、今回はスペースが限られているので諦めました。

ゴムベルトのみ交換済み。オートシャットオフ等、メカ的な動作はOKになりましたが肝心の音声がダメなので修理不能として返却いたします。明日時間があれば夕方発送いたします。

 

今回は残念!