時間外労働。失踪、過労自殺。
こんなネットニュースがありましたね。オリンピックのメインスタジア
ムの建設工事現場での事件です。
入社して一年もたたない現場監督が自殺をしてしまいました。
自殺前の1ヶ月は残業212時間。その前月は143時間だったそうです。
入社一年目は彼だけで、他はある程度経験を積んだ現場監督です。
経験を積んだ監督ばかりそろえるべきでしたね。(←皮肉です)
そう言えば知り合いの現場監督が、大変な現場をやっていたので、
「大丈夫か!」
と声を掛けたことがありますが、
「自分の経験では、終わらなかった現場は無い」
と、ニヤリと笑って言っていました。
それくらいの域に達するには、何年かかるのでしょうね。
無くなられた方は、元請けスーパーゼネコンの下請けの会社社員
でしょうかね。本当に気の毒なことです。
週休三日制の会社さえあるこの時代に、なんともヒドイ業界があった
ものです。
どうすれば残業を無くせるか!
簡単なことです。
一日8時間働くとして、月に25日働けば労働時間は8×25=200時間
となります。
212時間働いていたこの方は、二人分働いていたことになります。
つまり、現場の監督の人数が足りていなかったということでしょう。
残業を無くすためには、現場監督の人数を増やせば良かったことに
なります。
なぜ、それが出来なかったのか。
一つは効率の問題です。
たとえば住宅一軒を建てるのに、大工が50人工必要とします。毎日
二人がやって来て、トントンカンカンやれば25日で完成することにな
ります。
50人工で完成すると言っても、もし、50人の大工が一日でやって来
たらどうなるのか・・・おそらく人が邪魔になって数人分の仕事しか
出来ないハズです。
監督も同じです。もう一人増やしても効率が悪くて、1.5人とか1.8人
とか、それくらいの仕事量しかこなせないハズです。
しかし、残業は数時間程度ですむはずです。過労自殺も起きなかっ
たでしょう。
ただし会社にとっては、一人が二人分働いてくれた方が賃金は安く
つきます。
二人働かせると効率が悪くて、二人分の賃金プラス残業代が発生
するからです。
当然ながら毎月が忙しいワケでは無く、一人でほどほどの残業で
良い月もあるワケで、二人の監督を行かせていると、忙しい月より
効率が悪くなります。
・・・・・・・・・・。
二つ目の問題は、オリンピックスタジアムだけではなく、全ての公共
工事に言えることですが、
次の仕事が、いつあるのか?
分からないことです。
公共工事は入札です。次にいつ工事が取れるかは誰にも分かりま
せん。
ひょっとすれば永遠に取れないかも知れません。(永遠にと言うのは
言い過ぎですね。民間工事が取れることもありますし・・・ただ、いつ
仕事が取れるかは分かりません)
そんな未来のことが分からない時代に、余分な人員を雇えるでしょう
か?
昔は「談合」というモノがあって、その年の公共工事の、どれとどれが
取れそうだということが分かりました。・・・分かったらしいと、言い直し
ておきます。
未来の入って来る仕事が分かれば人も雇えます。仕事が取れないと
分かっていれば、現場代理人を残しておかなくて良いので、積極的
に民間工事を取りに行くこともできます。
「談合」は、今やほとんど無くなっています。今だにやっている地域が
あるとすれば、やがて出来ない時代が来ますから、競争力を失って
いる地域なので、よその地域の参入があって、バタバタと倒産して行
くでしょうね。
「談合」が復活すれば、会社の基盤が強くなるので、人も雇えますし、
忙しい現場に人員を多く入れることもできます。
今の弱り切った建設業界に、労働基準監督署が何を言おうと
空念仏にしか聞こえません。
(労働基準監督署の言うことを聞いていたならば、結論は働かずに
じっとしていろ!・・・と言うことになります。税金で雇われている人
は良いですが、一般人はできるだけ頑張って人より多く働かなけれ
ば暮らして行けません)
「談合」が悪いように言われましたが、現在の落札率ってどれくらい
でしょうか?
多分ですが、談合があった時代とあまり変わらない率になっている
と思います。(一社だけで入札の豊洲は問題外ですが)
(ただ、どこの会社が落札するのか分からないだけの違いです。
それが分かれば、業界が変わります。未来が見えてきます)
業界のブラック化を防ぐために「談合」の復活を声を
大きくして言いたいですが、
しかし~
田舎の地域の発展の為に、ソープランド街を造ろう!
と声を大きく上げれないように、効果はあるけれど現実的でない方法
なのでしょうね。
市議会に、「ソープランド誘致します」って言って立候補する人がいた
ら、確実に一票入れるのですがね。
話が、あっちこっち(でっち)に飛んでしまいました。
本日は、これまで!