気が付けば…
あの衝撃的なドラマ『昼顔』から10年が経ちました。
早いものですね。
あのドラマが始まった時、
私達探偵は、
『こんな生々しいものを放送して良いのか…?』と思ったものです。
不倫もののドラマなんて、別に珍しくも無かったですが、
主婦が情事に出掛ける前に家事を猛スピードでこなしていたり、
情事の後に平然と子供に関わっていたり、
それは正に私達探偵だけが目にしているえげつない光景だったからです。
それまでの不倫ドラマは、何かしら罪悪感を感じて苦悩する主婦…みたいに設定だったのに対して、
『昼顔』の内容は、罪悪感とは程遠く、
ただ『女』として『男』にのめり込む主婦の姿を描写していました。
実際このドラマが世の主婦に与えた影響は、絶大であったと私は思います。
あのドラマの後から、御主人様からの調査依頼が明らかに増えました。
『主婦にとっての不倫はステイタス』みたいな空気が強く出て来ました。
そしてそれは、現在も変わっていないと私は感じています。
しかし私は声を大にして言いたい。
不倫は『ステイタス』なんかでは絶対に無い。
そんな感覚で不倫をしていたら、
いつか手痛い目に合う事でしょう。
そして、私達探偵が呼ばれるような案件は、
中でもゲスくてとんでもない不倫と言えます。
きっと不倫は星の数ほどあると思う。
でも、探偵に追いかけられるような不倫カップルなんて、ごく一部、本当にわずかだと思います。
『調査の対象者になる』ということは、『よっぽどの事をしている』という事です。
このドラマ『昼顔』の公式サイトの掲示板に『どうか(不倫の)二人が結ばれますように!!』と強く願う書き込みが多数あったことにびっくりしたものです。
不倫を純愛みたいに思うなよ?
あまりにも道に外れるような事をすれば、
それはいつか必ず何らかの形で自分に返ってくるものです。
これは吉瀬美智子さん扮する昼顔妻が、
不倫相手に会いに行く前に自宅を完璧に整えている時に流れていたBGMです。
これを聴くと…あのシーンが蘇ってゾッとします。
情事の後、平然と子供のお迎えに行ったり(むしろ不倫相手と会う為に保育園に子供を預けている)近所の行事に出たり、
物凄い図太い神経を持った主婦を多々見てきました。
そういった主婦にも夫への不満なりストレスなり言いたい事はあるのでしょうが、
そういうことをする前に
『まずは離婚したらどうよ?』と私は言いたい。
それが出来ないのは…おそらく夫の給料なしには独立出来ない等の現実があるかと思うので、
せめて子供や夫に対する罪悪感位は持つべきだと思います。