水都大阪の異界を覗きます(4) | 晴耕雨読 -田野 登-

晴耕雨読 -田野 登-

大阪のマチを歩いてて、空を見上げる。モクモク沸き立つ雲。
そんなとき、空の片隅にみつけた高い空。透けた雲、そっと走る風。
ふとよぎる何かの予感。内なる小宇宙から外なる広い世界に向けて。


テーマ:

今回も前回に引き続き
20年ほど前に書いた*拙稿を
 テキストとして話を進めます。
  *拙稿:「水都の異界を覗く」『まほら』20号、
      1999年7月、旅の文化研究所

場所は天王寺さんです。

 

◇西門に出た。
 「ここは極楽の東門や。
 西は海やったんや」
 「(海なんか見えへん)・・・・?」

写真図1 四天王寺西門扁額

たしかに「釈迦如来/転法輪所/
当極楽土/東門中心」と読めます。
此の世から見ての「西門」は
彼の世からすれば「東門」に当たります。
ここでは、
海の先の異界は
極楽浄土の世界なのです。

ところが、今日、西門から
いっこうに「(海なんか見えへん)・・・・?」のです。

写真図2 西門を出て谷町筋を渡ったところ

写真は西門を出て谷町筋を渡ったところで
西向きに撮影しました。
左手(南)に一心寺の塔が見えます。
道路の先には通天閣が見えます。

 

◇逢坂に出ると一心寺。
 合邦ヶ辻の閻魔堂。
 坂の下の新世界には通天閣が聳える。
 「お父さん、通天閣いうたらどういう意味やのン?」
 「通天閣いうたら天に通じる高い建物や」
 ここでせがまれればえらいこと。
 天神橋まで行けぬ。
 「新世界」に出てしまう。

 

一心寺は浄土宗の開祖、法然上人が
日想観(ここでは「にっそうかん」)を修した
聖地とされています。
「日想観」を*『広辞苑』で確認しました。
    *『広辞苑』:新村出編2008年

          『広辞苑第6版』岩波書店

◆にっそう‐かん【日想観】‥サウクワン
 〔仏〕観無量寿経に説かれる十六観の第一。
 西に没する太陽を観察して、
 西方の極楽浄土を想い浮かべる修行。

 

一心寺の墓地から
「新世界」を眺めました。
写真図3 一心寺の墓地からの眺め

一心寺の西には崖が
南北に連なっております。
崖下には天王寺動物園があります。
椰子の木立が見えます。
南北に走る阪神高速道路が白く映っています。
「新世界」は、その先です。
通天閣が聳えています。
かつての歓楽街です。

 

この界隈は上町台地の崖によって
聖俗が反転する都市空間がかいま見えます。
「異界」という言葉も
彼此の関係性を捉えなおしてみますと、
異界に潜むモノの正体も
存外、身近な存在であったりもしそうです。

 

次回は、東横堀といった水辺に
水都の異界の口を探訪します。

 

究会代表
『大阪春秋』編集委員
大阪あそ歩公認ガイド 田野 登

 

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