ジロの、数少ない得意のうちの一つに、
作文がありました。
１年生くらいまでの子どもが書くことなんて、
ほぼ事実のみです。
そういうのは得意でした。
ただ、２年生になると、書くことは事実のみではなくなります。
通っている作文教室では、
先日このような課題がありました。
「なぜ鶏のとさかが赤いのか、
本当のことでなくていいので、
理由を考えて書いてください。
面白い理由を考えてください。」
書いた答えはこうでした。
「むかしは、とりのとさかは白かったです。
だけど、だんだん赤くなりました。
赤くなった理由はわかりません。
ぼくはふしぎだなと思いました」
これじゃ全然ダメじゃん！！
いい？理由を書くわけ。
理由は面白いほうがいい。嘘でもいいの、
いやむしろ嘘を書くわけ。
なるほど～とみんなが思えて笑えるようなやつ。
はいっ！考えてみて。
ちっともひらめかないので、
だんだん私もイライラしてきました・・・
いや。
本当はわかっているんです。
この問題は、自閉症児には難題です。
災難といってもいいレベルです
「これができたら自閉症児ではない」
という感じ。
いわゆる「とんち」に類する問題ですよね。
でも、他の2年生ができるなら、
ジロもできなきゃ。
作文は一応得意なんだから…
私はパッと２個くらい浮かんだので、
その路線でヒントを出しました。
しかし、どっちの路線でも、
いくらヒントを出しても
全く思い浮かばずに、
「うーーーーん。
頭が赤い理由・・・・理由・・・」
といいながら、
困ったように、私の顔をちらちら見るだけです。
あ～～～！！もう～～～！！
なんでひらめかないわけ
イライラ、イライラ
ハイ。久しぶりに小爆発してしまいました
ごめんね。
お母さん、めちゃくちゃだよね・・・
ダイにはできない。
わかっちゃいるけど、
ほかの２年生は、
きっとバンバンひらめくんだろうなぁ、
ってそう思っちゃったんだよね
ジロは本当にけなげです。
「わかんない」も「やりたくない」も言わずに、
必死に考えていました・・・
３０分くらい粘っていました。
そういえば、その前日に、
エジゾンの伝記を読みました。
「お母さん、この子、全部「なんで？」っていうんだって。
「なんで空は青いの？」とかいうんだって。
そんなに質問ばかりしちゃだめだよねぇ。
みんなに迷惑だよねぇ。
「なんで空は青いの？」なんてバカみたいな質問だよねぇ」
と言っていました。
ほんと、「想像力」なんて、ジロの辞書にはありません。
空が青い理由なんて考えたこともない。
与えられた情報を、
与えられたままに受け取るだけです。
だから。
「鶏のとさかが赤い理由は、ぼくにはわかりません。」
頭の中からは、どんなに振ってもそれしか出てきません。
そういうジロを、そのまま活かせる道を、
やっぱり探していかなきゃな、と思った出来事でした。
作文教室は、ハードルが高すぎでした。
もうすぐ、桜咲くね！
