2024.9.19 信子(1940年) | -

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信子(1940年) 監督:清水宏

主な出演:高峰三枝子 三浦光子 岡本文子 森川まさみ 飯田蝶子 吉川満子 三谷幸子 奈良真養 松原操

 

 

太平洋戦争が始まる前に流行った女学校モノ。

 

新任教師として九州から東京の女学校に赴任した信子(高峰)。まずは校長・関口(岡本)から九州なまりや言葉づかいを戒められるばかりか、生徒たちからも揶揄される。

(たしかに地方なまりなのだが、九州の方言には聞こえない)

 

 

信子を特に悩ませたのが、学校の有力者の娘・穎子(三浦)の執拗なまでの反抗だった。しかし信子は、それを見事にやり込めたことで、生徒たちからの信頼と人気を一身に集めることに。

行き場を失った穎子は、ガス自殺を図るも未遂に終わる。

この事件に対し学校側は信子の責任を追及するが、穎子の父、細川(奈良)は穎子に真剣に向きあう信子の姿勢に感銘し、このまま教師の職を続けてほしいと懇願する。


 

物語の前半で信子が下宿する置屋に見習い芸者のチァー子(三谷)という娘がいる。女学生に憧れるが、そもそもそんな身分ではないため、これからの人生を悲観する。不憫に思った置屋の女将・お佳(飯田)は、チャー子を養子に迎え女学校にも通わせることに。ストーリーには直接関係ない展開だが、最後に心温まるエピソードを加えるところに清水宏監督の優しさが表現されていると思う。

 

チャー子を娘にすることを信子に伝える女将役の飯田蝶子さん

 

音楽の先生役として人気歌手ミス・コロンビアこと松原操さんがゲスト出演しているのも見どころ。劇中の挿入歌『乙女の歌』は松原操さんの歌。