パミール高原との心理的距離 | 3年前のしこうの楽しみ

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パミール高原を通り抜けてキルギスタンに入りました。
標高4200m強の国境を越えると、一気に下りになりました。
それと共に風景の感じが変わるのは不思議でもありました。

北斜面になるからなのでしょうか。
国が変わったという認識が影響を与えるのでしょうか。
空気の流れが違うからでしょうか。

それとも他の要因があるのでしょうか。
明らかに山々の色味が異なって見えました。
より鮮やかに色彩感があるように感じたのです。

領域の変化によって変わった感じがすることがあるのは通常ですが、ここまではっきりと視覚的に変化したことはありませんでした。
これはなかなか面白いものです。
同じ対象でも、見る角度が違うと大きく異なって見えるということを、投影しているかのようでもあります。

そんなことを感じながら地続きの同じ大自然なのに、違った感覚をとらえながら街へと向かっていきました。
到着したところはキルギスタンで一番歴史があるところでした。
その面影はほとんど感じられませんが、3000年くらいの歴史があるらしいです。

そして、ともかく僻地から人のいる場所に戻ってきた感じがタイムトリップかのように感じました。
素直に、現代に帰ってきたという気分が湧いてきたのです。
国境から車で3時間半かかるものの、たったその程度の時間でここまで違いがある場所に身を置くことはなかなかないでしょう。

それが自分の中でのパミール高原の良さと過酷さを、より確実なものにさせるように思いました。
この心理的距離感の大きさも、多くの人にパミールという場所を稀有な場所にさせるのかもしれません。
そう思ったので、あえて視点を変えてこの心理的距離感を縮めてみました。

そうするとパミール高原の風景の記憶が鮮明になり、この地と連続したものとしてとらえられるようになったのが興味深い体験でした。
心の持ちようでいかようにもとらえ方が変わりうることを再確認したのでした。

谷孝祐
2014.10.3 23:26