
1月21日(金)
日本一と言われる「庵治一」の産地 香川県に向かいました。
明石海峡大橋を渡り、京都からは香川県まで約3時間!

現場の方に案内してもらいながら、
ドキドキしながら、原石を取り出すすぐそばまで行きました。
スタッフの方は、ヘルメットをかぶっておられますが、
上から石が落ちてきたら、ヘルメットをかぶっていても、命はないそうです。
それを聞いて、ちょっと近づくのが恐ろしくなりました。

「庵治石」は日本一とも言われるだけあって、
石の丁場に落ちている石コロ1つでも持って帰ると
怒られるそうです。(当たり前ですね)
また、厳格に採掘業者が決められていて、
地主さんに許可を得た石材採掘業者さんだけが採れるそうです。

石の丁場は、人間が機械を使って自然の山を切り崩していくわけですから、
道も自分たちで作りながらの、長期戦になるそうです。
また、1つの場所から良い石が採れるかどうかは、
本当に「運」のようなもので、
一生懸命 採掘しても、良い石が出てこないこともあるそうです。
また、庵治石の場合は、「層」と呼ばれる塊(かたまり)が
小さい原石が多いため、
本当に製品になる石は、原石の1/10くらいだそうです。
そう考えると、本当に製品になる石というのは、
山の中から掘り出され、厳選された石の中のさらに、1/10ということになり、
とても貴重な石なのだと改めて感じさせられます。

特に、上の部分の土に近い部分は、
土から染込んだ成分が石に混じっていて、
錆びやすいので、ほとんど使えないそうです。

石のボセイと言われる斑点のような模様がついていたり、
石の「層」の線のような模様がついていたり、
また「石の目」の細かさがグラデーションのようになっている石は、
製品として使うことができないため、
山積みとなって、墓前灯篭や置物などに使われるために、
保管してありました。
なんだか、もったいないような気さえしました。
しかし、一生に一度、自分の終の棲家としてお墓を建てられるお客様は、
墓石の少しのキズや模様の変化も、やはり嫌う方がほとんどです。
天然資源の石として、墓石は 最終製品としての磨かれた石しか
見ていないので、どうしても「完璧に綺麗な石」を求めてしまいますが、
石の丁場の方々は
「ボセイは石の個性であり、この世に1つしかない石の模様なんですよ」
とおっしゃっておられました。

ここで、指を差しているところが「層の線」が入っているところです。
こんな大きな原石も取り出されても使いものにならないなんて・・。

これは、同じ石でも、目の細かさがだんだん荒くなっている石で、
指を差している両手の部分の細かさが明らかに違う石です。
お墓に使われる石は、上から下まで、同じ目の石を使わないと、
やはり見栄えがよくないので、
この石も製品にはなりません。。

こんなにもたくさんの「庵治石」が眠っていると思うと、
何か使い道はないものかと、本当に考えてしまいます。

最終的に、砕石となり海を埋めたてに使われることになるそうです。

採掘業者さんが命を懸けて取り出した原石を、
加工業者さんが、そっーっと山から下ろして来て、
時間をかけて、製品になる石をより分けて、
ようやく加工され、
その石の1つが、香川県から京都に運ばれて、
たくさんの職人さんの手によって、
墓石が出来上がるという、この長いプロセスを臨場感を持って
お客様にも、なんとかお伝えできればと思っています。

この「庵治石」丁場 視察で強く感じたことをまとめてみました。
①自然の中から 何年もかけて出来上がった 石を掘り起こすには、
現場の方が命をかけて、掘り出すという作業をしているということ。
それが、どれほど危険なことか、そして、そういう職人さんたちの
おかげで、山に眠る原石が時間をかけて私たちの手元に届いているということ。
②庵治石は石の風合いの良さが日本一の理由だと思いますが、
そんな貴重な石の多くが製品にならずに、
山積みにされているということは、
本当に墓石になる石というのは「ありがたく」使わせていただかなければ
ならないということ。
③百聞は一見にシカズ。
ただ、墓石を見るだけでは分からない、
その石1つ1つの「生い立ち」のようなものを目で見て、感じて、
その山の壮大なスケールに驚き、感動し、
何か、「石には、石に関わる職人たちの力」のようなものが込められているなと
感じました。
是非、お客様にもこの現場を見ていただきたいと思いました!!