深層心理学の基礎 -コンプレックス- | 内閣官房、教授 田中誠一です!

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これまで元型について論じてきましたが、今回はコンプレックスについて論じていこうかと思います。コンプレックスについては既に河合隼雄博士による、岩波新書版の『コンプレックス』や培風館より出版されている『ユング心理学入門』の中にあるコンプレックスの章を参照されたほうが早いのですが、一応、私からも述べておきます。また、私は既に何度かコンプレックスついて論じておりますので、過去の記事を探し出してご一読いただきたいです。

 

コンプレックスとは主体の過去の経験からくるものでありまして、これも無意識でありますからそれがコンプレックスであるかどうかについて気づくことは困難であります。また、気づいたとしても不快に思うものです。よって、私がここでコンプレックスを論じたところで読者の皆様方は不快に思うだけなのであまり意味はないのですが、タイトルにもありますように「基礎」でありますから軽く触れる程度に進めるようにします。

 

コンプレックスとは何かとは、これは世間一般で思われてるコンプレックスとユング心理学におけるコンプレックスとでは大きな差があるように思います。例えば、関西人による東京コンプレックスとは何を意味するのかを考えてみますと、これは一般的には関西人の東京嫌いと翻訳されているようですが、ユング心理学的に評価するとまた違ったものとなります。コンプレックスとは心のどの層に該当するかですが、これは「個人的無意識」の部分に相当します。ユング自身は心全体や複雑な状況や環境を指してコンプレックスという場合もありますが、基本的には個人的無意識のことを意味します。ではこの個人的無意識とは何かというと、主体が過去に経験したことを蓄積していく部分であります。楽しいこともあれば辛いことも含まれます。基本的に人間は楽しいことも辛いことも全て実体験として生きたままの記憶として蓄積することがないようにできております。この現象を一言で表現すると「忘れる」となります。つまり、人間は忘れることにより生きていくことができるとなります。しかし、全てを忘れるわけではありません。ノートに下敷き無しでメモをとり、消しゴムで消しても跡形が残るように、記憶が刷り込まれております。その跡形を鉛筆で黒く塗ると文字が浮かび上がってきます。そうすると過去の記録をはっきりとさせることができますが、これが人の心で発生すると心の病を発症することになります。その代表的なのがヒステリーです。

 

ともすれば心が正常な人でもコンプレックスがあるのか?との疑問があるかとおもいますが、ユング心理学においてはコンプレックスを持っていない人間はないとするのが標準となっております。言語連想をすればすぐに判明することですが、心が正常な人でもテストをすれば必ずコンプレックスが現れます。しかし、それが病的でない限り、コンプレックスが心に影響していない限りは正常と判断します。つまり、コンプレックスとは良くも悪くも「自我が忘れた過去」のことであります。

 

ユングは統合失調症の治療のために心理学を発展させたのですが、私は芸能人でもありますから「笑い」や「人気」なるものを得るためにはどのようにすればよいのかという、ユングとは180度逆の視座で心理学を見つめております。よって、ユングはコンプレックスを過去の経験や体験の蓄積と定義しておりますが、その使用方法において私とはかなり違っており、ましてや、「楽しいこと」の蓄積について述べることはありませんでした。これはユングの立場からすれば当然のことであります。ところが私からすればこの「楽しい思い出」についての方が重要でありまして、このコンプレックスを見つけ出し会場の雰囲気をつかみ、その後に元型の力を借り、聴衆者をロックオンするというやり方をしております。

 

では、関西人の東京コンプレックスとは何かですが、ユング心理学的に評価するとそもそも言葉の使い方に誤りがあるといえるのではないでしょうか?東京のことが嫌いな関西人を表現したいのであれば「東京嫌いの関西人」が正解でありましょう。コンプレックスとはそもそも意識できないことでありますから、何らかの過去の体験がなければコンプレックスは形成されません。もし関西人の全てが東京コンプレックスを持っているとするならば、関西人の全てが東京に何らかの関係をもっていることになります。そんなことが現実的にあるでしょうか?という仮説の展開が可能となる限り、東京コンプレックスについての言葉の使い方に誤りがあると言わざるをえないでしょう。

 

難しいですね、コンプレックス。しかし、コンプレックスの簡単な見立ての方法があります。とにかく「イラッ!」とくるものはコンプレックスの可能性が非常に高いです。そしてこの「イラッ!」はAさんとBさんとでは共通することもあるでしょうけど、基本的には異なるかと思います。ゆえに個人的無意識となります。これはマイナスのコンプレックスですが、では、私が追及しているプラスのコンプレックスは何かですが、これはつまり「笑い」が起きる状況です。なぜ人間が笑うのかについて答えが出ないのは、無意識であるからだと私は考えております。つまりコンプレックスであると考えております。知っていなければ笑えないという現象に目を向ければお分かりいただけるかと思います。また、十分に自我が受け入れていることについて、笑いになるでしょうか?過去の楽しい記憶がよみがえった時の感情を思い出してみてください。

 

今回はここまでとします。次回はこの続きを論じていきます。ご高覧、ありがとうございました。

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