風が吠える | 生殖医療専門医・内視鏡手術技術認定医 田中雄大のブログ

生殖医療専門医・内視鏡手術技術認定医 田中雄大のブログ

神奈川県藤沢市の不妊治療・産婦人科「メディカルパーク湘南」の院長、田中雄大のブログです。
体外受精や内視鏡手術のことから雑感まで、日々の記録を綴っております。

外は風が凄い。

風で、サッシが時々ゴォーという低音の唸り声をあげる。バラバラと、雨が打ちつける音も。

流石に、今日は、犬の散歩も無し。

許してね。

こういう時は、家の中でじっとしているに限る。

 

でも、嫌いじゃないんですよね。

なんていうか、家屋の中で、雨風しのいでいるって実感出来て、嬉しい。

これこそが、「安心感」?

この感覚は、竪穴式住居の縄文人も、タワマンに住むセレブ達も、一緒じゃなかろうか。

 

風というのは、暑い寒いよりも、人間の生活に影響している気がします。

 

私が育ったのは、東京都の上の方の区。

あの埼玉県と、荒川を挟んで接している地域でした。区内には、「城北」という名前が付いた学校やら、信用金庫やら、病院やらが沢山ありました。「江戸城の北側」だから、城北だったのでしょう。

 

埼玉県に接しているといっても、流石に氷点下以下になる事はありませんでしたが、冬は、兎に角風が強い。北風がヒューヒュー🥶🥶吹き荒れる。だから、自転車を漕ぐのも、追い風の時は最高なんですが、向かい風は地獄。特に、我が家から、習い事とか、公園に遊びに行くとかの場合は、北から南に向かうので、必ず往路が追い風で、復路が向かい風になる。日が暮れて、暗い中を、風に逆らって、立ち漕ぎで自全力でペダル踏むのは、身も心も荒ぶものです。「通りゃんせ」の、「行きは良い良い、帰りは怖い」の歌詞は、自分のために作られているんじゃないか、といつも思っていました。

 

風は遊びだけではなくて、スポーツでも大きな影響力をします。例えばサッカーの試合なんかでも、先に風上を取るか、風下を取るかによって、試合運びが全然変わってきます。だから、最初のジャンケンに命懸けるんですな。今は子供でもコイントスとかやるのかも知れんけども。東西南北がわからない小学生でも、冬になるとどっちから風が吹いてくるかということだけは、当たり前のように体に染み付いていたんじゃないかな。

 

さて、この湘南地域。

 

引っ越してきて驚いたのは、冬の北風がないことでした。風が吹く時もあるけど、方向が一定じゃない。海風と北風が、バッティングして、相殺されてしまうのだと思います。この無風状態が、冬の穏やかな湘南地域を作っているのだと思います。

 

でも、逆に、この辺りで育った人には、多分、その有り難みが、分かっていない。一方で、23区でも、内陸側で育った人間は、自分たちの近隣に、荒ぶような北風を経験しなくても良い地域があるなんて、夢にも思わない。私がそうだったように。

 

「北風小僧の寒太郎」が、子供の心にも沁みるのは、実体験があるからだと思います。

 

「風が強い」ってだけで終わらせようと思っていたのに、つい、長文に。

風の音を聞きながらだと、文章が進むもんですな。