「アトピーの夫と暮らしています」 (陽菜 ひよ子著) | 探検塾

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最近にはめずらしくアトピー本が出たので、キンドルで読んでみました。マンガなのですぐに読めました。

 

夫は高校生からアトピーを発症してステロイド外用薬を使うようになって、社会に出てからはシステムエンジニアに。激務でアトピーが悪化したのか、不安定な体調では仕事を続けられないと思うに至ったのか、30才過ぎて脱ステロイドを決意して薬なしでがんばることになりました。しかし脱ステは苦労の連続でついに仕事を諦めて、義母のいる名古屋へ引っ越し。そこでカメラの専門学校に通い、その後体調が落ち着いてフリーのカメラマンとして仕事を始めた、ということです。

 

アトピーの夫は著者と結婚してすぐに脱ステをはじめたので、著者である妻は夫のその前の状況 (ステロイド外用薬を使っていた十数年) はわかってなくて、脱ステしてから数年経ってもなかなか安定しない体調のことがマンガで興味深く描かれています。

 

脱ステにともない、寝不足になる、皮膚の剥落で部屋を汚す、体から浸出液が出る、顔が赤黒くなる、眉毛がなくなる、眼球や目の周りが腫れてボーとした風貌になる、などは僕の経験してきた症状と共通です。函館の夫の親は、脱ステで息子の容貌がやつれて老けたのにびっくりしていたとか。

 

僕も3年前に脱ステを決意して実行したけれども、みんな似たような外形上の徴候が現れて苦しむんですよ。だからこれはこれで一つの病変で、それを一言でいえば、ステロイド皮膚症。ステロイド外用薬の副作用をみとめない日本皮膚科学会が、忌み嫌う言葉ですが。

 

ステロイド外用薬の副作用とは、その長期使用により塗る効果が減弱していき、より強い薬を塗っても皮膚炎がコントロールできなくなり、皮膚が赤黒く象のように固くなり、体一面に湿疹ができていくこと。僕は患者としてステロイド外用薬を長く塗ってきた実感から、薬そのものが一時皮膚の炎症を抑えても、その後長きにわたり広範囲の炎症を引き起こして悪化させる原因であると理解しています。

 

このような薬害から逃げるには、ステロイド外用薬を止める以外にない。しかし止めると、使用しているとき以上の皮膚状況の悪化に一時的に見舞われるけれども、その時間は人により異なります。

 

そして著者の夫のように、脱ステの最悪期を根気よくやり過ごしても、すぐに健康人たち同様の皮膚を取りもどすことは難しく、不安定な時間を過ごすことになる人は多い。最悪期がいつまで続くのかわからずに、脱ステを完遂するために学業を中断したり、仕事を辞めるひともその中から多く生まれている。

 

脱ステのこの時期は皮膚状態が大変なので医療支援が必要となるけれども、そもそも日本皮膚科学会はステロイド皮膚症を認めていないので、健康保険の点数の基となる診療ガイドラインでこれを必要な医療サービスとして認めていない。だからほとんどの皮膚科開業医は患者にステロイド外用薬を処方するのみで、患者の脱ステをサポートしてくれません。ただし著者の夫は、名古屋で親身になってくれるよいお医者さんのところに通っているそうです。

 

その主治医のお名前は本書には記されていないのですが、どうもお医者さんの希望のようですね。名前出すと、脱ステしたくて困っている患者が全国から集まってきてしまうからでしょうか。

 

著者の家では、アトピーの夫がカメラマンの仕事を順調にできるようにと、食事療法を徹底しておこなっているそうです。高校生の時にアトピーを発病した夫は、思春期でストレスが多い時期であり、深夜ラジオや外食などで生活が乱れていたのかもしれませんね。食事療法をがんばっているということは、それなりに効果がでているのでしょう。

 

本書の最大の魅力は、より充実した生活をしたい仕事ができるようになろうと、夫婦して真剣にかつ深刻にならずに明るくアトピーとたたかっているところです。著者がイラストレーターで内職で帽子も作っていて、夫がカメラマン。2人ともフリーなので、本が売れるとアトピーとたたかう生活に励みと印税の潤いが生まれるというだけではなく、世間で注目されて仕事も来るかもしれない。

 

ということで、地元名古屋では本のサイン会やラジオ・テレビに出演しているのが2人のブログをのぞいてわかりました。本の宣伝も本書の内容と同様に明るく仲良くやっているところがよいですね。夫の赤ら顔が治ってほしいと (僕もまだ治らないので)、つよく願っています。

 

 

著者と夫のブログより

 

 

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