この出版不況のご時世、

一冊も本を出したことのない、

有名でもなんでもない人間が、



商業出版(出版社がお金を出して出版してくれる出版)なんて、

できないと思っていた。




なぜそう思っていたかというと、

出版業界に詳しい人が

そう言ったから。



私は

「そうなんだ」って、

何の疑いもなく、盲目的に信じた。

自分より経験のある人の言葉を

自分より上に置いた。



だから私は、

自分で費用を出して出版しようとしていた。

それ一択だった。



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その考えが変わったのは、

ある友人の一言から。



「商業出版を狙えばいいじゃん。

最初から諦めてるのは、勿体無いよ」

いとも簡単にそう言った。




現に私の周りで、商業出版をする人がポツポツ出てきた。

「もしかしたら、商業出版もできるのかもしれないな」

と考えが変わった。




そしたら私も、商業出版できることになった。





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だいぶ前、

沖縄でカカオ栽培にチャレンジしている人を取材したことがある。



周囲の農家さん全員に反対されたそう。

「沖縄でカカオはムリ」

「やってみたけど、ダメだった」



けれど彼だけは、その言葉を信じなかった。

カカオ栽培はおろか、農業すらやったこともなかったのに。

.

.

数年後、彼は沖縄で

カカオ栽培を軌道に乗せた。




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現実を作っているのは、

自分の意識。

意識が変わるから、

現実が変わる。

意識が変われば、

不可能はない。



本当はどうしたいのか。

どうがいいのか。

基準はそこだけ。



偉い人の言葉なんて

信じるな。



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田中えり