善人も罪人もまた同じ目で
 見上げる月の百年変わらず

くたびれた身体に満月は容赦ない。
逃げても逃げても追いかけてくる。
俺はひたすら自分の影を睨めつけ何とか影の中に逃れる術はないものかと考える。
影の中はきっと暖かで慈愛に満ちた世界のはずだ。

 影踏みて踏まれた影の悲しさは
 月を恨めど眩しき月夜

影は静かに笑い、俺の中へと消えてゆく。


12月は色々と忘れ物を思い出して切なくなります。