2010-10-05 22:35:28

第116回_鳩山一郎_トップに立った人間は意識して情報収集をせよ

テーマ:鳩 山一郎

日曜日のテレビ朝日の討論番組、サンデープロジェクトで司会役の田原聡一朗が、鳩山総理(当時)と話をしたら総理になると情報が全く入らなくなると鳩山さんが言っていた。というのを聞いて、確かに総理になると24時間SP等に監視されて一般の人と気楽に話す機会はなくなる。普段は側近の人達か識者か社会的な立場のある人としか話をしない。パフォーマンスや、選挙対策のために一般の人達と触合うことはあるであろうが、それでは末端の生活や現場の人達の意見を聞いたことにはならない。このことは大きな会社の経営者も同じで地位が高ければ高いほど限られたルート以外からの情報が遮断されてしまう。決断をするにあたって偏った情報だけで判断することは非常に危険である。また裸の王様にもなりやすい。そうならないためにはトップに立った人間は、意識的に情報収集を心がけ、謙虚に人の話に耳を傾けることが絶対に必要になるであろう。

 

食品の卸業を営んでいる20代のある青年は沖縄産のパイナップルの缶詰の仕入れやその積み込みの確認のため現地へよく行っていた。ついでに非鉄金属の回収会社をつくり、沖縄戦における日米両軍の兵器の残骸や砲弾の破片などを集めて本土に輸送をしていた。その回収に同行した時にいくつかの洞窟で、おびただしい数の日本軍兵士たちの死体が骨となって朽ち果てた状態で放置されていた。そのことに愕然として機会があったら政治家に遺骨拾集をお願いしようと思い何枚かの写真を撮り、それをバックにいつも入れていた。するとそれを陳情する機会が突然おとずれたという。 

昭和29年(1954年)1220日、鳩山由紀夫前総理の祖父鳩山一郎が総理大臣に就任した時である。名古屋駅でこの青年が乗っていた同じ汽車の隣の車両に鳩山総理の一行が総理就任の伊勢神宮参拝の帰りに乗りこんできた。すかさずこの青年は写真を携えて鳩山総理の座席までゆき「あのーちょっと、お願いがあるんですけど」と言葉をかけた。すると鳩山総理は「何ですか?」と尋ねる。遺骨拾集の陳情だと説明すると、自分の座っている席の前をわざわざ空けてくれたという。

青年は簡単な自己紹介のあと、沖縄で見た無惨に放置されたままの遺骨のさまと、それを一日でも早く拾集して供養してほしい旨を数枚の写真を見せながら一時間にわたって話をした。真剣に話を聞いていた鳩山総理は「分かりました」と頷いた。そしてそれから数ヶ月後、さっそく沖縄での遺骨調査と拾集が実施された。以後、厚生省(現厚生労働省)が南方の戦跡地に調査団を派遣する動きに発展していく。

ちなみにこの青年は後に日本一の食品スーパー、ライフコーポレーションを創業する清水信次であるが、時の総理大臣が見ず知らずの青年の話に謙虚に耳を傾け、そして直ちに対策を実行するのだから驚きである。鳩山一郎は国民の声を聞くお手本のような政治家であったといえるが時代もあるだろう。今であったら話しかけようと思っても恐らくSPに取り押さえられてしまうのが関の山だ。




初代内閣安全保障室長を務めた佐々淳行(さっさあつゆき)は元警察庁長官で政治家に転身し副総理も務めた後藤田正晴の忠実な部下であったが、佐々は後藤田五訓というものがあったという。五訓のうちの二訓が「私が聞きたくもないような悪い情報を報告せよ」と「勇気を以て意見具申せよ」であったという。後藤田が官房長官をやっていた時は各省庁の役人は自省庁の大臣にいい難いことも駆け込み寺のように後藤田のところに持ち込んだ。官房長官室の待合室は常に千客万来であったという。




4代経団連会長の土光敏夫(どこうとしお)は傾きかけた東芝の再建を頼まれ社長に就任すると。毎朝、7時に出社した。始業は9時からであるが「それまでの時間は誰でも自由に入って来い」といって部屋をオープンにした話はあまりにも有名である。




関連サイト

土光敏夫語録集

率先垂範編  http://bit.ly/qN4vdU

経営編    http://bit.ly/reMlal

教育編    http://bit.ly/qpMifu

仕事編    http://bit.ly/oiNTxb



文責 田宮 卓




参考文献



清水信次 「闘魂人生必勝の道」 経済界

佐々淳行 「わが上司後藤田正晴」 文春文庫

佐藤正忠 「佐藤正忠の経営辻説法」 経済界

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