第398回【松下幸之助と稲盛和夫の共通点】
評論家の竹村健一氏と雑誌『財界』の社長を務めた山口比呂志(ひろし)氏の対談本を読んでやはり稲盛和夫さんもそうかと思いました
稲盛さんはラーメンが大好きでしょっちゅう食べに行ったという
それも稲盛さんはいつも運転手と一緒に食事をするのだという
ある時は京都の国際会議か何かで車で移動するときワコ-ルの創業者、塚本幸一さんや他の京都の経済人も2、3人いたが、ラーメンを食べようとなり、他の運転手にも声をかけてみんなで一緒にラーメンを食べたという
他の運転手は稲盛社長はいつもいっしょに食事をするの?と驚いたという
松下幸之助さんが80代のころ、三重県の松下電工の工場を視察するため鳥羽(とば)のホテルに滞在した
同社の役員が案内するため車で鳥羽のホテルまで迎えにいった
松下相談役は秘書の六笠(むかさ)さんと食事中であった
役員にも食事を勧めるが
済ませてきたと遠慮すると、「それならお茶でも飲みなさい」と
同席し、これから視察する工場の説明をすると
松下さんが「運転手にもお茶を」という
そこで運転手を呼ぶと
松下さんは目玉焼きを食べつつ、役員の顔を向いて話を聞いているが
テーブルの上の食器をさりげなく動かしはじめたという
運転手が座るお茶のスペースをあけるためである
このさりげない松下さんの心配りに役員は大変感激したという
私も運転手をしていたことがあるので分かりますが
夜の会食など、その間
運転手は外で何時間も待たされるのが普通です
運転手同士で話をすると皆な同じことをいいます
中途半端に偉い人ほど偉そうにするが、本当に立派な人は謙虚で腰が低く心配りができる人であると
運転手に対する接し方で、その人の器量がわかると思います
※写真は資料館前の花(ポリアンサ、シクラメン、ストック)