4月22日、群馬県みどり市小平の「カッコソウ岩穴管理地」で開催された特別公開に行ってきました
これは毎年カッコソウの開花時期に合わせてカッコソウへの理解と保全を目的に管理地内を公開しているもので、今年は4月15日~4月30日の土日6日間で行われました
カッコソウ岩穴管理地
こちらは保全活動に取り組んでいる「小平サクラソウの会」の管理地で、杉林の斜面に群落があります
写真撮り忘れたので過去写真流用です(^_^;)
今年は開花が早く一番の見頃は一週前だったそうです
それを考慮しても今年は花が少なかったですね、おかしな天候はカッコソウには厳しかったかもしれません
「カッコウソウ」:勝紅草
桐生市・みどり市にまたがる鳴神山山域のみに自生するサクラソウ科の植物
かつては谷をピンク色に染めるほど咲いていたということです
現在の自生地での生育数は800個体程度、種の保存法により国内希少野生動植物種に指定され保護活動が行われいる「世界中でここだけに生育している希少な植物」です
環境省レッドリスト・絶滅危惧種1A
サクラソウに似たピンクの花
花を付けるのは1~2段までで、これは陽の光を十分に当たるようにする工夫なんだそうです
葉っぱは掌状で長い葉柄があります
こちらは地元で「貴婦人」と呼ばれる淡いピンク色をした花を咲かせる株
サクラソウ科の花の増え方は複数あって、代表的な2つが地下茎から自身のクローンを作る方法とタネによる方法です
そのタネを作る過程が個体数の減った現在では繁殖のネックになってるようです
「カッコソウ」の花には性質の違う「短花柱花」、「長花柱花」の2つのタイプがあります、これはサクラソウ属の特徴で「異形花柱花」と呼ばれるものです
それぞれ違うタイプの花粉で受粉したときにだけタネができるというもの、そうすることで同じ種でも個性の違う遺伝子を持つ事が出来、これが種が生き残るために大切なことなんです
現在の自生地では多くがクローンで増えたものでタネができることが少ないそうです
「短花柱花」の花:雌しべが短く、花の中央に雄しべが見えているタイプ
「長花柱花」の花:雌しべが長く花の中央に雌しべが見えているタイプ
白花はシコクカッコソウ、他にも園芸種であるビロードカッコウソウが咲いていて撤去予定とのことでした
これらはかつて現地に植えられたものが繁殖しているらしい、都度撤去していてもなかなか無くならないようです
意図しない種は勝手に増えるのに、増やしたいカッコウソウはなかなか増えないというのは皮肉なものです
管理地で咲いていたその他の花たち
クマガイソウ
最近ではこちらのほうがインパクト大きいのでニュースでも取り上げられたりしてますねw
フタバアオイ
ヒイラギソウ
その他、ウラシマソウ・ヤマブキソウなどが咲いていました
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