もう何年、いや~何十年前だろう?
よくゴルフに行き・・・
スナックでカラオケにと遊び呆けた、よき兄貴分だ!
ところが会社も息子さんに譲り、会長に退きとんと逢う機会がなく
ここ5~6年は、年賀状、中元、歳暮、程度のお付き合いだ。
たまに・・・
『おやじが、よろしゅう いうってました』
「そう・・・おやっさん 元気か・・・よろしゅう 言うといて・・・」
息子さんを介しての情報交換だったが?
なんと、先日・・・電話があった。
『どない してんねん・・・昼飯でも 食いに いこか・・・』
との、急なお誘い・・・
「いきましょ・・・で・・・どこに?」
『ま~ ええがな・・・・・迎えにきて』
とのこと・・・
「ハイ・・わかりました」
と・・・指定の場所に伺うことにする。
あまり変わって居ないな~と思いながら近づくと
5~6年の経緯は、やはり老いは隠せない。
「お待たせしました」
『まったがな~ もう30分も 待ったがな~』
で・・・いきなり・・・・
『ちょっと老けたんと ちゃうか』
いきなりの先制パンチ、この口の悪さはいまだに健在でほっとする。
「ちゃいまんがな 貫禄がでた 言うん でんがな」
『そんな かっこええ もんと ちゃうで・・・ははは』
「で・・・きょうは なんで でん ねん?」
『え・・・めし 食うのに 理由は いらんがな・・・』
「確かに・・・そうですな~!」
それから・・・そこを右 次を左 次の信号と ナビゲーゲター
結構なセッカチさは昔と変わらない?
ついたところは、うどん屋さん!
『ここの蕎麦は うまいで!』
とのこと・・・ここも昔と ちっとも変っていない。
とにかく・・・『ここは美味いで』・・・・から始まる。
確かに、温かい鴨汁につける盛り蕎麦は・・・絶品だ!
話を聞くと・・・
実は、もう2年ほど前・・・早朝に釣りに出かけるとき庭で倒れ、
救急車で運ばれ・・・狭心症で死にそうだったそうだ。
『もし・・・海やったら・・・もうとっくに魚の餌やで』・・・と笑う?
さらに・・・最近は『肺気腫でな~』と・・・しゃべる息が荒い!
『あのころは、最高に楽しかったな~』
と・・・盛んに20年ほども前を懐かしむ顔に皺が深い。
『ほな いこか~』
食事中話続けて・・・
食事が終わると帰りも早い・・・変わって居ない。
自宅まで、おくり とどけて・・・
「ご馳走さんでした・・・」
と、車の窓越しにお礼をいうと・・・
『また・・・肉でも・・・食いに 行こな!』
「ハイ・・・連絡待ってます。」
と・・・走り出そうとすると・・・一言・・・小さい声で!
『息子・・・よろしゅう・・・頼むわな!』
と・・・軽く手をパーに している、一人の老人が佇んでいる。
何とも複雑な思いをさせられた昼飯だった。