【一茶の裏面】 | 為次郎のブログ

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面白きこともなき世を面白く( ^ω^)・・・ですね!

ひねくれ一茶〈田辺聖子著〉も、やっと中盤に差し掛かった。
俳諧師といえども生活には当然金が要る。
 
収入は金持ちの句会に出席して作品を披露したり、連句で唸らせたりしての謝礼金か、道楽の篤志家の厚情に甘える程度で、句集を出してこれが収入になるには余程の知名度が必要であったようだ。
 
一茶もこの時期は乞食同然の暮らしぶりであったようだが、俳句は伸び伸びしてそれを感じさせない。
 
〈やれ打つな蝿が手をする足をする〉
小動物や虫を題材にしたものや、尻とかオナラとかが盛んに出てくる。
 
多分彼の日常を詠んだものであろう。
 
〈雪とけてクリクリしたる月夜かな〉 
特に擬音語で情景を表現するテクニックは感性の鋭さなのだろう。
 
彼の信念は、こと更難しい言葉を使わず、皆にわかり易い表現の句を作ることのようだ。
 
【が!】
彼の実家の相続に関しては、まこと醜いほどの執念を見せる。
いい人わるい人と区別は出来ないが・・・凄い人だったのだろう。
 
特に面白いという訳でもないと思いながら、これから終盤に入っていく!