今日は勤務ローテーションの隙間か、クレオパトラ嬢が、一人で頑張っている。
隣の席で40歳過ぎのご婦人二人が、盛んにご主人の悪口なのか自慢なのか喋っている。
『先月も、30万も使って、皆におごってやったって云うのよ・・・まったく本気で離婚を考えるわ!』
「オトナシそうで、そんな風に見えないけど、前にも300万円も使って云ってたわね、生まれが良いのかな~」
『知らないけど、チョットは、家の事も考えて欲しいわ・・・』
読んでいる本はそっちのけで、つい聞き耳を立てしまう・・・?
ひとしきり、如何に主人が浪費家かを喋り相方がトイレに行ったので、急に静かになった?
チラっと横目で見ると、黒いスラックスに、淡いピンクの決して高価ではないポロシャツを着た、美人とはいい難いご婦人がポツンと座っている。
やがて、相方が帰って来ると、連れだって出て行った・・・・・
「今の話、凄かったよな~チョット臭い話だけどな~・・・」
『私にも、聞こえました・・・そうですよね?』
クレオパトラ嬢は、目をぱちくりさせて・・・片付けを済ませて行った。
それから、2~3人の来客があり、忙しそうにキビキビ動き回っていたが・・・
急に、洗剤(?)を噴射し、顔面蒼白で、小さな声でキャキャキャ・・・と飛び跳ね踊っている?
「え“・・・ゴキブリか?」
『わ“~・・・ソウデス・・・』
エイッとばかりカウンター内に・・・
「ティッシュは・・・」
『はい!』
5~6枚鷲つかみで受取り・・・・
ゴキブリを掴まえ、ダッシュボックスへ・・・
いきなりカウンター内に入って行ったので、驚いたのは厨房の兄ちゃんだ・・・
ダダダ・・・・
『は~ゴキブリですか・・・ありがとう御座います。』
どうも、何かと?間違えたようだが・・・
「いや~チョット可哀そうだったからね?」
なんとなく、小さな任侠だぜと・・・?感じた・・・
アホか?・・・ハハハ!